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2005年6月30日 (木)

かみ合わせの大切さを実感しました

先日、あるかみ合わせのセミナーに参加いたしまして、実習で自分のかみ合わせを調節したのですが(もちろん自分では出来ませんので、他の先生に)それから、目まいと吐き気に悩まされています。いつも軽い船酔いをしているような気分で、下を向くとムカムカする状態で、仕事柄、少々困っております。時間と共に、慣れもあるのか多少はましになってきましたが、快調という状態からは程遠い状況です。診療中は気が張っていますので忘れている事もありますが、終わると院長室でソファーに倒れこんでしばらく放心状態です。

おまけに腰痛も併発し、あらためてかみ合わせの大切さを身をもって実感いたしました。毎日のようにかみ合わせの調整を行なっておりますので、身が引き締まる思いです。

なぜかみ合わせを変えるとそのような症状が出るのかは、理論的に十分説明がつきますので、これから自分の体を使って色々と実験してみようと思っております。キーワードは「重力」です。そのうちご紹介いたします。

皆様の中にも、検査では異常が無いのに体調が優れず、漫然と鎮痛薬や抗ヒスタミン剤、血圧の薬、その他、のみ続けている方も多いと思います。それらはあくまで現在の症状を抑えるだけの対処療法であり、完治するわけではありません。私のケースと逆で、かみ合わせを整える事により、それらの不快症状が治る場合も結構あると思われます。

かみ合わせの治療は誰もが行なっているわけではなく、また、色々な方法がありますので、ぜひご自分に合った医院を見つけられると良いと思います。健康で快適な生活が待っています。

現代のの方、特に年齢が下がるに連れて食べ物や生活環境などの影響で、かみ合わせのズレが大きいように感じます。一見、きれいに並んでいるようでもずれている場合は多く、まして歯を抜いたり、たくさん治療したりしているとさらに厳しくなります。(歯科治療はその時点のかみ合わせに合わせて治療する場合がほとんどですので、もともとズレがあれば、その状態をさらに固定してしまう場合も考えられます)

思い当たるふしがある方は、とりあえず今行かれているかかりつけの先生に相談されてください。

今後、私の体調の変化も随時ご報告していきたいと思います。

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2005年6月29日 (水)

院長日記№1

あまり専門的な硬い話ばかりが続くと頭が痛くなりますので、たまには息抜きで軽い文章を入れたいと思います。

歯の矯正をされている方はたくさんいらっしゃると思います。歯の大きさに対してそれが生えるべき顎の骨が小さいため、スペース不足で歯並びが悪くなります。その場所を作るため、抜歯をするケース(通常、上下の前から4番目の歯を抜きます)がよく見られます。

矯正専門の先生は、基本的に矯正以外の治療はされませんので、我々一般歯科に抜歯の依頼が来ます。

日頃、治療するのは虫歯や歯周病など何らかの疾患を抱えている歯ですので、躊躇なく治療に取り掛かるのですが、この矯正抜歯だけは、多くが、きれいで見るからに健康な歯を抜かなければいけません。特に小、中、高生の生えて間もない歯となると、治療に必要だと頭で重々わかっているのですが、どうしても罪の意識を感じてしまい、何度やっても慣れる事はありません。先日も高校生の女の子を抜きましたが、顔では笑っているものの、心の中では「ゴメン」と手を合わせてしまいました。別にミスをした訳ではないのですが・・・。こんな私は小心者でしょうか?

日頃、傷んだ歯を何とか長持ちさせようと四苦八苦していますので、健康な歯は輝いて見えます。他の歯で苦しんでいる人に移植でも出来ればいいのですが。(自分の歯を他の場所に移植するのは可能です)他の先生方は、どの様に感じられるのかお伺いしてみたいものです。

多少の歯並びのズレは個性のうちに入るのかもしれませんが、機能的に問題がある場合は矯正が必要です。その前に、便利さと軟食に慣れた現代の食習慣を少し逆行して、自然の素材を感じられるような咬みごたえのある食習慣を子供の頃から行なっていただくと、顎の発育をうながし、歯がきれいに並んで私のストレスも少なくなるのでしょう。

書き進めるにつれて、またまた硬い文章になってしまいました。反やはり歯の話題を離れないといけませんね。反省!

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2005年6月28日 (火)

歯の値段はいくら?

熊本県歯科医師会メールニュースより

「永久歯28本の資産価値に対する意識調査で歯科医療従事者と患者の間に大きな認識のズレがあることが分かった。岐阜医療技術短期大学の中村浩二助教授が実施、まとめたもので、4月21日の日本口腔科学会で発表した。
患者が感じる永久歯28本の価値は973万円だったのに対し、歯科医師は2913万円で、患者の約3倍。歯科衛生士は1709万円でおよそ1.7倍、歯科助手は1256万円で1.3倍となった。歯1本あたりに換算すると患者約35万円に対し、それぞれ約104万円、約61万円、約45万円。」
                      (出典 日本歯科新聞 )

皆さんは、自分の歯が不幸にして無くなった場合、もし健康な歯が買えるとしたらいくら出されるでしょうか。多分、ご自分の歯がまだそろっていて、特に不自由を感じない方は安めに、歯周病や入れ歯で苦労されている方は高めに設定されるのではないかと想像いたします。患者様の約35万円というのは、現在行なわれているインプラント治療の1本あたりの値段とほぼ同じという偶然の一致でした。(当医院はもっと安く行なっていますが・・・)

歯を1本失うと、咀嚼効率は70%くらいまで落ち込みます。ただ、人間には適応力がありますので、そこまで落ちているという実感をもつ人はほとんどありません。何日かすると違和感も消え、ついついそのままでもいいかとなってしまいがちです。

歯を抜いたまま放置するとどうなるのでしょうか?歯は隣同士押し合いへし合いしながら咬む力を分散し、適正な場所に留まっています。1本歯が抜けてしまうと、その連携が途切れてしまい、結果、歯は抜けたところに向かって倒れていきます。そうすると、歯のすき間がゆるくなり、そこに物がつまったり溜まったりすることにより新たな虫歯や歯周病を誘発します。また、歯が斜めに倒れてくると咬む力が歯に対して垂直ではなく斜めにかかるようになり、これは歯に多大なダメージを与え、歯を支えている骨を痛めてしまいます。また、抜いた歯と噛んでいた反対側の歯は、咬む相手を失ったため、どこかに当たるまでどんどん伸びてきます。結果、そちらも歯のすき間がゆるくなったり、かみ合わせが変なあたり方をするようになり、抜いた側と同じ様な疾患を誘発します。また、かみ合わせがずれると頭痛、首のこり、肩こり、腰痛、をはじめ、このブログの最初に書いたような様々な全身疾患につながっていきます。小さな穴からダムが崩壊するといった例えをよくされますが、まさに歯を1本失う事からお口の中の崩壊が始まります。幸いにして、人間は失った歯を補う手段を持っています。ぜひ、放置する事だけは避けてください。補う方法は、何通りかあり、それぞれメリット、デメリットがありますので、かかりつけの歯科医院にご相談ください。

事故などで不幸にして歯を失う場合を除けば、歯を失う原因はほとんどが虫歯か歯周病(歯槽膿漏)です。これらは細菌由来の病気ですので、適切にコントロールすれば、必ず防ぐ事ができる病気です。決して老化ではありません。ある研究によると、人間の潜在的な寿命は120歳くらいだそうで、歯の寿命はそれをはるかに越えているそうです。つまり、病気を適切に抑えれば、一生自分の歯で暮らすのは当たり前の事なのです。8020運動(ハチマルニイマルウンドウ)を歯科医師会がずっと提唱しております。80歳まで20本の自分の歯を残そうというものです。ただ、現状は80歳で残っている歯の数は5本前後だそうです。20世紀は病気になってから歯医者に行く時代でしたが、21世紀は病気になる前に、予防で行く時代です。日本は残念ながらその認識がまだまだ希薄です。流行の言葉ではありませんが、自分の健康管理は自己責任で行なう時代です。その意識を早く持った方々は、多分、8020運動なんてレベルが低いと言うようになるでしょう。

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2005年6月27日 (月)

虫歯予防週間を終えて

6月4日は言わずと知れた「虫歯の日」です。その日をはさんで虫歯予防週間として、歯科医師会や各歯科医院、衛生士会、技工歯会、歯科のメーカーなどを中心にイベントや啓蒙活動が行なわれます。最近は11月8日も「いい歯の日」として年二回、一般の方々に、歯に対する意識を高めてもらおうとアピールしておりますが、認知度の高さでは、昔からある虫歯の日でしょう。

この時期、私は職業柄、歯科がどれくらいマスコミ等に取り上げられているか、テレビ、ラジオ、(特に健康を取り上げる番組)新聞、健康雑誌、一般雑誌、インターネット等を念入りにチェックするようにしています。それなりに特集等を組んであるものもありましたが、その扱いは年々寂しくなっているような気がします。私としましては、歯の大切さ、特に歯と全身の健康との関わりをもっともっと知っていただきたいのですが、個人のやれる範囲はどうしても限られてしまいますので、不特定多数の方にアピールできるマスコミにもっと動いていただきたいのですが、力及ばず残念です。とりあえず、私の医院に来ていただいている方々と、このブログを見ていただける方々だけでも、歯を健康にして全身の健康と長寿を手に入れていただきたいと思っております。

物をよく咬むと、脳の血流が良くなる事は、たくさんの研究で立証されています。寝たきりの方々のお口の中を拝見すると、歯が悪い方が多いようです。逆に、その様な方々のお口の中をきちんと治すと、寝たきりだった方が自力で起きれる、もっと良くなると立ち上がって自分の身の回りの事ができるようになる、あるいは痴呆が軽快したり良くなったりするのは、我々歯科の立場からすると決して驚くべき事ではなく、当たり前のことなのですが、意外と一般の方には知られていない(あるいは信用されていない)ようです。私も何度か寝たきりの方の往診を引き受けた事がありますが、なかなかお口の中までは手が届いていないようでした。ただ、家族の方も毎日の介護で疲れられており、ブラッシングの話はしたものの、私もあまり強く言えませんでした。ただ、65歳以上の方の死因トップを争うのが肺炎なのですが、誤嚥性肺炎といって、食べ物などが食道ではなく誤って肺に入ってしまったため起るものが多く、その原因として、お口の中が不潔になって増えた細菌の存在が指摘されています。この話はまた後日詳しくしますが、お口の中を清潔に保てば、かなり防げる病気だと言えます。定期的に我々専門家によるお口の中の清掃を受けていただければ、お口の中が爽快になり食べ物の味もよくわかる様になり、食事も美味しくいただけるだけでなく、肺炎などの予防にもなりますので、ぜひかかりつけの歯科医院に一度ご相談されたら良いと思います。

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2005年6月24日 (金)

歯を治して医療費削減

サラリーマンを中心とした増税案が示されて、いよいよ大増税時代の到来かとニュース番組のコメンテーターが連日活発な意見を交わしています。少子化傾向は歯止めが効かず、毎年記録更新をしているというのに、ますます子育てがしにくい世の中になりそうです。私も3人の子育て真っ最中ですが、家計に占める子育てにかかる資金の割合はかなり高いものになっています。少子化は国の存亡にかかわるというのに、それに逆行するような政策には少々疑問をもってしまいます。もちろん、日本の現状は、国の大きな借金が年々増え続けており、国債の格付けは普段あまり耳にすることの無いような国と同列に並べられています。負債をいたずらに先送りして子ども達の世代に押し付けてはいけませんので、何らかの痛みを伴う改革はある程度仕方がないとは思いますが、連日のように報道される汚職、談合、税金の無駄使いなどなど、もっと先に手をつけるべきところがあるのではないかと思うのは私だけではないでしょう。

前置きが長くなりました。さて、今日は「歯を治して医療費削減」というタイトルです。国民医療費、特に老人医療費は年々増加の一途をたどっております。(実は、伸びているのは医科の方で、歯科はほとんど横ばいです)一方、少子化により医療費の負担をしている世代の数は、これから減る一方です。その結果、今のままでは保険医療制度がパンクしてしまうのは誰の目にも明らかでしょう。それを維持するためには、制度の改正と医療費の自己負担率の増加を行なうしかありません。「健康で長生き」というのは誰にとっても理想でしょう。医学の進歩によりかなりの延命が可能になりました。その結果、日本は世界一の長寿を手に入れましたが、それが必ずしも健康を伴っているとは限りません。場合によっては辛い長生きもあるでしょう。もちろん、治る可能性がある場合は、最高の治療をほどこして欲しいと思うのが人情でしょうが、そうでない場合、ベッドの上で機械やチューブにつながれたまま延命される事が本人にとってどうなのかは意見の分かれる所でしょう。それに伴う高額な医療費も発生します。最近、尊厳死がよく話題に上るのも、うなずける所です。

いくつかの統計から、歯がしっかりしている人の医療費は、そうでない人に比べて約半分~3分の1で済んでいるという結果が出ています。ここで注目していただきたいのは、歯科医療費だけでなく、全ての医療費が少なくて済んでいるということです。当然、その分健康な生活を送っていると考えられます。これを見て、私は大変感銘を受けました。まさに「歯から始まる健康と長寿」です。これからやってくる少子高齢化社会の中で、自分の仕事が少しでも役に立てると思うとワクワクしてきます。動物は歯が無くなったらそこで寿命はつきます。それを考えると、人間も歯をなくすたびに生命力が弱っていくのは当然でしょう。まず、歯をなくさないためにはどうするか、また、不幸にして歯を失った場合もそれを補う治療の選択肢を人間はたくさん持っています。ぜひそれを皆さんに享受していただきたいと思います。そのためには皆さんにもっと歯科の事を知っていただきたいと思っております。今後も色々な情報を発信していきますので楽しみにしておいて下さい。

これからの社会保障制度を維持するためのキーワードは「歯の健康」かもしれません。

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2005年6月22日 (水)

ブログを始めます

今日からいよいよブログを始めます。現在、41歳になったばかりの中堅(中年とはあえて書きません)歯科医師です。最近、歯科を通じて皆さんの健康に大きく貢献できる事がわかってきました。例えば頭痛、肩こり、腰や膝の痛みを始め、生理痛、アレルギー、アトピー、花粉症、冷え性、高血圧、低血圧、顔や体のゆがみ、不妊症、うつ、などが、歯科で治る、あるいは症状が軽快すると書いてもほとんどの方が信じないと思います。もちろん、私は歯科医師ですので、私が治療するのは口の中だけです。では、なぜそれが列挙したような病気が軽快することにつながるのか、それをわかりやすくお伝えできればと思ったのが、このブログを始めた理由です。健康で長生きは誰もが理想とする所です。日本は世界一の長寿を獲得しましたが、健康という部分ではかなり問題があります。また、出生率の低下でただでさえ大切にしないといけない子ども達に異変が起っています。詳しくは、また後日述べますが、日本国の存亡にかかわると言っても過言ではありません。子ども達の目をキラキラと輝かせ、心身ともに健康にする大きなお手伝いが歯科を通じてできます。そんな話をこれから時々載せていきたいと思います。質問等があったらどんどんお寄せください。

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