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2005年7月29日 (金)

笑顔の効果

日本人の写真と外人(特に欧米人)の写真を見比べて、一番違うところは、歯を見せて笑っているかどうかです。日本人のほとんどは、口を閉じて笑っているのに対して欧米人は、これでもかというほど歯を見せて笑っています。

これは、習慣の違いもあるかとは思いますが、欧米人にとって、白くてきれいな歯は一つのステイタスなのです。

彼らの比較的所得の高い人達は、ほとんどが子どものうちから矯正を始めて成人になるまでにはきれいな歯並びを手に入れます。その後は定期的に歯のホワイトニングに通って白くきれいな歯を維持していきます。つまり、自分はそれだけ歯に時間とお金をかけているのだと見せ付けている面もあると思います。

対して日本人、特にある程度年代の上の人は、人前でむやみに歯を見せる事は、はしたない、あるいはだらしないと思う習慣が身についているので、人前で笑う時は、歯を見せないか、手で口を覆う人が多いようです。まあ、若い人の中にはそんなことはお構い無しに大口を開けて笑う人も増えてきましたが。

歯を見せないよりも、見せて笑った方が、相手に心を開いているように感じられると思います。ただ、問題はその時に見える歯の状態です。きれいな歯並びと、ピカピカの白い歯が並んでいたら相手に清潔な好印象を与える事ができると思いますが、えてして逆効果になる方がいらしゃいます。

テレビのコントで、よくお笑い芸人の方が前歯を黒く塗ったり、黒いテープを貼ったりして出てきます。皆様、どのような印象を感じられるでしょうか?多分、ほとんどの方が間の抜けた感じを受けられるのではないでしょうか。

つまり、前歯と言うのは、その人の表情に対して非常に大きなウエイトを占めていることがわかります。抜けたりしているのは論外で、虫歯で黒く変色したり、穴が開いていたり、差し歯が変色していたりしてもかなりのイメージダウンです。

初対面の人に対してしかめっつらで応対する人はまずいません。だれでも極上のスマイルを浮かべるでしょう。その時の口元が非常にモノを言います。イケ面で、高級スーツをいくらビシッと着こなしていても、お歯黒コントのような口元では相手に与える印象はあらためていうまでもありません。

日本人は欧米人に比べてシャイで、人付き合いが下手だと言われます。私は今の国際化の時代には、もっと歯を見せる美しいスマイルを訓練するべきだと思います。その結果、相手も心を開いてくれると思いますし、第1印象がグンとアップすると思います。

そのためには、最低限の歯、特に前歯の手入れが非常に重要になってくると思います。休みの日などにホームセンターなどに行くと、高級車がたくさん並んでいます。その中から、歯がボロボロの方が出てこられると、お金を使う順番が違うのでは・・・と言いたくなるのは、いらぬおせっかいでしょうか!

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2005年7月25日 (月)

体調不良の原因は歯でした

先週1週間、倦怠感、目まい、首、肩のはり、腰痛、などなど最悪の体調で、あまりのきつさに肝炎か何かに感染でもしたのかとわが身を疑うような状態でした。

最初は連休の疲れに、この猛暑と冷房に入りっぱなしによる体の冷えから来る弊害が重なったのだろうとたかをくくっていたのですが、仕事を終えて帰ると、食事を摂ったら風呂に入る気力も無く、子供より先に寝て、朝からシャワーを浴びて出勤するような毎日が続くので、さすがにこれはまずいと思いました。

体調不良と前後して、歯をかみ合わせる時に、ある1ヶ所が先に当たるのが気になっていました。ひょっとしたら、それが原因かもしれないと思い、誰も私を治してくれないので全身が映る鏡を見ながらTM式バイトスティックというものを使って自分の顎のズレを修正してしばらくその状態を保持してみました。(この理論を理解している歯科医師は全国的にまだ多くなく、仕方が無いので自分で自分自身を診断したわけです)

すると、体がすっと軽くなり、視野がパッと明るくなるのが体感できました。これだと思い、早速気になっていた当たりをほんの1層(多分0.1~0.3㎜くらい)自分で指示をして落としてもらいました。それからは、全快とまではいきませんが、辛かった肩や首のはりもほとんどなくなり、仕事に対する気力も湧いてきました。(先週は気力をかき集めてきて、それを振り絞っていたような感じでした)

今回、自分身に起きた事を総括してみると、元々顎やかみ合わせのズレを持っているというところに、先日もこれに書きましたが、講習会で実習の中でかみ合わせの調整ということで歯を削ってのが裏目に出て体調が崩れかかり、それに加えてこの猛暑、冷房のつけっぱなし(患者様の手前、診療中に冷房を切るわけにはいきませんので)、連休の遊び疲れなどのストレスが神経系や免疫系の働きを鈍らせたために起ったのではないかと推測します。

かみ合わせのズレを持っている方は、たくさんいらっしゃいます。ただ、それを若さや体力、体の許容量でつつんでいる間はさほどひどい自覚症状として現れません。ところが、何かの原因でその均衡が崩れると、体調は坂道を転がるように悪くなっていきます。

診療前に問診表を書いていただきますが、みなさん何とたくさんのクスリを飲んでいらっしゃるのでしょうか。以前も書きましたが、副作用の無いクスリはありません。飲まれているクスリの内容を拝見すると、あるクスリを飲むと発現する副作用を抑えるために別の薬を処方し、それに対してまた別のクスリを・・・といった内容のものが多く見られます。

もちろん、例えば臓器移植をした方が免疫抑制剤を飲むような場合は当然一生涯飲み続けないといけないと思いますが、慢性期の病気に対してクスリで完治するものは、そう多くは無いと思います。つまり、特に生活習慣病と呼ばれるものは、安易にクスリに頼るより、その生活そのものを見直していく方が、はるかに効果的で経済的だと思います。また、体を治すはずのクスリが場合によっては体をむしばんでいく場合もあります。そのあたりは、阿保徹先生の一連の書籍を読まれてください。一般の書店にたくさん出ています。クスリに対する見方が変わります。

話がそれましたが、体調不良の原因の中に、かみ合わせの不具合があることは、まだまだ認知されていません。体調が悪い時、まず歯医者に行こうと思う方は、残念ながらほとんどいらっしゃらないと思います。ただ、逆にかみ合わせや顎のズレを治すと驚くほどたくさんの全身症状が回復したり軽快したりすることがあることを、頭の隅に入れて置いてください。きっと皆さんの健康増進にお役に立てる場面があると思います。

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2005年7月20日 (水)

歯科と金属

先日、ある講演会で体中の経絡を測る機械で検査してもらいました。すると、リンパ系が弱っているとの事。その原因は、口腔内の金属なので、やりかえた方がよいとの事でした。

リンパ系というと、免疫やガンなどと密接に関連するところですので、私も全てやりかえようかと思っております。ちなみに私は高校生まで非常に歯が悪く、ほとんどの歯に修復物が入っております。虫歯の痛みや、顔が変形するほどの腫れと痛みも経験しております。

もし、歯医者になっていなかったら、多分今ごろは何本か抜いているでしょう。歯学部を卒業してからは、2,3本はずれたり、歯が欠けたりしてやりかえていますが、今のところ全ての歯が残っています。

虫歯はきちんとケアーすれば防げる事を自ら実証しています。いつもいつも完璧に磨いているわけではありません。飲んで帰ったときなど、そのまま寝る事もよくあります。その時は、次の朝、徹底的に磨きます。それでなんとかフォローできています。

1日3回、食後にちょこちょこと磨くより、1回でも徹底的に磨く方が効果は高いです。それについては、また機会を見て解説します。

さて、話がそれましたが、歯の金属の話に戻ります。今、一般的に保健治療で使用されている金属は、12%金銀パラジウム合金と言うものです。これは、戦後の物不足の時代に金に変わる代用合金として開発され、今日にいたっています。ちなみに戦前は、金が使われていましたので、材料的に言うと(技術的ではありません)戦前の方が良いものを使っていたと言う事になります。

変色しないのは良いのですが、非常に硬く、場合によっては歯になじまなかったり、歯を痛めたりします。アメリカでは当然使用が認められていない金属で、多分日本以外で使用している国はほとんど無いのではないでしょうか。

また、合金なので、パラジウム、銅、亜鉛などなど、金属アレルギーを誘発すると言われている成分を含んでいます。口の中ですので、常に微量元素が溶け出しているといっても過言ではありません。

実際、原因不明の皮膚疾患や、様々な病気が口の中の金属を撤去したら、完治した、あるいは軽快したという症例はたくさんあります。

私も、今度全ての金属を撤去したら体調がどの様に変わるか実験してみようと思っております。

日本には、健康保険という素晴らしい制度があります。外国などからすると、かなり安い費用で平等に治療が受けられます。ただ、保健にはルールがあり、前述した歯を修復するためには12%金銀パラジウム合金、あるいは銀合金(強度が弱く、黒く変色します)をつかわざるをえません。

患者様にはいつも最高の治療を受けていただきたいと思っているのですが、制約上、それは不可能になってきます。そこでより快適さ、審美性、健康などを加味して保険外治療というオーダーメイドが歯科には用意されています。

保険外治療を勧めると、場合によっては金儲け主義などと批判される事もありますので、我々もつい萎縮してしまいます。(小心者の私だけでしょうか)

当医院に勤める従業員や家族などを治療すると、保険のものを入れることはほとんどありません。それは、その治療の価値や、それで得られる利益をわかっているからです。

歯科に払うお金の順位がかなり低く、旅行や車、電化製品(ほとんどが買い替えで、元々無いのではありません)、子供の塾代などに負けています。価値観はそれぞれに違いますので、ここでとやかく言うことではありませんが、歯にお金をかけるということが、人生においてどれだけの価値を生み出すか、それをしっかり説明していない我々の怠慢かもしれませんね。反省!

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2005年7月16日 (土)

院長日誌3

金曜、土曜と患者様が大変少なく、暇をもてあまして院長室でお茶やコーヒーばかり飲んでいるので、お腹がパンパンです。

世間では、3連休ないし、有給休暇などを取れば4,5連休なのでしょうか。また、梅雨明けを思わせる快晴と猛暑で、ここぞとばかりに洗濯、掃除、買い物などなど今まで雨でできなかったお仕事をされているのでしょうか?

当医院は、院の方針として治療を納得いくまでとことん行ないたいので、予約制を取っておりません。(歯の状態や病気の程度はそれぞれ違いますので、この病気なら○○分で治療できると、私はとても確約できません。予約制で時間をきちんと守って来て頂いたのに、こちらの都合で待たせるのはもっと失礼だと思いますので)

そのため、ある時間に患者様が集中する時と、昨日、今日みたいにガラガラの時と、差が激しいです。空いているからと言って、こちらから患者様に「今、空いているから来ませんか」というのも何か都合が良すぎる様で・・・。

医療関係、特に私みたいな個人開業医は、本当に長い休みが取れません。もちろん、自主的に医院を閉めれば可能なのですが、「せっかく来たのに・・・」と、後日何人もの患者様から言われると、小心者の私はますます休めなくなります。週休二日、三泊四日、四泊五日の旅行など、夢のまた夢です。もちろんゴールデンウィークや正月休を使えば可能ですが、日頃の何倍もする費用を払って、人ごみにもまれながら駅や空港などを移動する事を考えると、ついつい億劫になってしまいます。

歯科医院の数がコンビニよりもはるかに多いということを話すと、大概の方が驚かれます。そうなんです。少し前から歯科も過当競争に入っています。全国では閉院するところもかなり出てきています。

私が開業した十数年前は、周りで土曜の午後、診療をしているのは私だけでした。また、受付が午後7時というのも一番遅い時間でした。ところが、今は土曜午後の診療は当たり前で、午後8時、9時までの診療や、日曜、祝日の診療もあたりまえのようになってきました。歯科も内情はかなり厳しいのです。

明日からは暦通り、二連休をいただきます。天気もよさそうなので、日頃の罪滅ぼしに、子供を連れて出かけようかと思っております。皆様はどのようなご予定を立てられているでしょうか。日射病、熱射病、事故などにはご注意ください。

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2005年7月15日 (金)

口の中ってきれいなの?きたないの?

今回は、少々ビロウな話を一つ。

人間は、決して無菌的な環境で生きているのではなく、たくさんの細菌と共存しています。見えないだけで、皮膚の表面には無数の細菌がいます。

さて、口の中目を向けて見ましょう。例えば食後、歯のすき間を爪楊枝で探ると先っぽに白いカスのようなものが着いて来ることがあります。あれが、「プラーク」日本語で言うと歯垢というものです。

では、その爪楊枝の先に着いたプラークの中にどのくらいの細菌が入るのでしょう。そのくらいの量だと、だいたい1億くらいいるようです。歯科医院によってはそれをとって、その場で顕微鏡で見せてもらえるところもあります。丸っこいのやら、ミミズみたいなのやら、螺旋みたいなのやらが動いています。

自分の口の中にこんなものが1億もいると思うと結構ショッキングです。結構強烈な歯磨きの動機付けになることが多いです。

しかし、普段その様な事を意識している方は、ほとんどいないでしょう。そんな事を考えていたらキスなんて絶対出来ないですよね。

さて、ここから少し汚い話になりますが、トイレに行って例えば手に便が着いたら皆さんセッケンで何度も手を洗われると思います。もちろん手に着かなくてもトイレの後には手洗いされるでしょう。ちなみに、お医者さんの話によると、尿は基本的にきれいなものだそうで、あまり汚いとは感じないそうです。

では、1回のトイレで排泄する便と口の中の細菌の数を比較してみましょう。どちらが多いでしょうか?ほとんどの方が便の方と答えられるのではないでしょうか。

実は、口の中にいる細菌は、便の中のおよそ10億倍だそうです。これは、先日参加しましたセミナーの先生から教えていただきました。もはや天文学的な数字です。さて、この結果をみなさんはどう考えられるでしょうか。

最近、口の中の細菌が、様々な病気(糖尿病、高血圧、心臓病、早産他・・・)、の原因になっている事が立証されて来ました。これも、それだけの細菌がいて、飲食のたびに飲み込んだり、歯ぐきに炎症があったり虫歯を放置していたりすると細菌が血液の中に入り込んだりすることを考えると、十分納得できる所です。

虫歯も歯周病も細菌が引き起こす感染症であり、我々が治療として行なっている大半は、その汚い環境をきれいにして、それを長続きさせる事です。その結果、自分の免疫力で病気は治っていきます。医者が治しているのではなく、自分自身で治しているのであり、我々はその手助けをしているだけです。その根本的な部分をしっかり理解していないと、どうしても医者に依存的になり、病気もなかなか治らない、あるいはせっかく治しても、すぐに再発すると言う事になります。

さあ、今日から歯磨きに対する熱の入れ方が変わるのではないでしょうか。ただ、歯の形態は複雑で、隅々まで完璧にきれいにするというのは至難の業です。まして、歯並びが悪かったりするとますます難易度が上がりますので、時々は歯科医院に行って、検診も兼ねてプロのクリーニングを受けてください。それが一番痛みもなく、歯を長持ちさせる秘訣です。

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2005年7月11日 (月)

院長日誌2

土日と福岡のかみ合わせの研修会に参加してきました。(診療を休んで行きましたので、ご迷惑をおかけした方があれば申し訳ありませんでした)

開始時間に合わせて十分余裕を持ってJRで出発したのですが、大雨の影響で途中、35キロ運転や45キロ運転の区間があったため、予定より1時間近く遅れて遅刻してしまいました。加えて特急の自動ドアが雨漏り(?)のせいなのか、狂ってしまって、勝手に開いたり閉まったりのくり返しで、そのたびにバタンバタンと音をたてるため、寝るに寝られず、読書にも集中できず、踏んだり蹴ったりでした。

福岡の方は、さほど降っていなかったので、よほど熊本、特に北部の方に集中して降ったのでしょう。少し前の空梅雨がうそのようです。やはり、降るべき時に普通通りに降ってもらいたいものです。小国をはじめ、災害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。水不足の心配は解消されたものの、土砂崩れなどの災害が起きないことを願います。

歯科医師の研修は、卒業してから本格的に始まります。昔は(私よりもかなり前の時代)学生時代にインストラクターの指導の元、色々な治療をさせてもらっていたそうですが、今は医療法が厳しくなり、学生(無免許ですので)が患者様の治療をさせてもらう事はほとんどありません。

つまり、6年間の大学生活を終えて、晴れて歯科医師国家試験に合格して、合法的に歯科治療ができる歯科医師になっても、その時点では治療経験はほとんど無いと言っても過言ではありません。そのため、勤務先で実地の勉強をしながら腕を磨くと言う事になります。(来年からは、歯科医師にもインターン制が導入されます)現場は昔ながらの徒弟制そのものです。

歯科の場合は、色々な検査をして診断の結果が出て、ほとんどの場合がそれから処置を伴います。残念ながら、虫歯や歯周病はクスリだけでは完治しません。

医療の世界も日進月歩で、どんどん新しい材料や技術が出てきます。前述したように、歯科は技術の習得が必須となるため、講師にマンツーマンで教えていただく場合が多く、その様な講習会は、募集人数も1回につき10数人くらいに限られてきます。また、使う機材や材料も高価なものが多く必然的に高くつきます。

そのため、土、日の二日間コースで10数万円というのが相場です。私のように熊本に住んでいますと、東京、大阪、福岡などのセミナー(ほとんどがその様な大都市で行なわれます)などの場合、講習費に加えて交通費、宿泊費なども加わります。もちろん全て自腹です。この話をしますと、ほとんどの方(もちろん歯科業界以外の方)は大変驚かれます。

結構、メーカーの方や、くすりやさんが、代わりに出していると思われている方が多いのですが、歯科に限っては、そのパターンはほとんどありません。

そうやって、高い講習費と、休みを潰す為家族の白い視線に耐えながら、新しい治療をマスターしようと私も頑張っております。休診等はかなり前から掲示はしているのですが、たまたま不在、あるいは休診していた日に来られた患者様から後日「せっかく来たのに・・・」とお叱りを受ける事があります。全て患者様へ還元しようと努力している結果ですので、どうかご容赦願います。

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2005年7月 8日 (金)

前回の続き

三つ目の問題は睡眠時間の低下です。

一説には、質のいい睡眠を三、四時間取ればいいという話もありますが、それは脳にとっての話です。体は骨休めが八時間以上ないと、必ず破綻します。

われわれ哺乳動物は、造血層が骨髄にあるため、立ち姿勢や座っている時は造血が止まります。肺の外呼吸と細胞のミトコンドリアの内呼吸を結んでいるのは血液を動かす心臓ポンプと血球です。しかし骨髄での造血が止まると、不完全な血球しか作れません。だから睡眠はたとえ十時間寝ても、座って寝たのでは意味がないのです。その上、立っているということは、約5kgの頭と約40kgの胴体を1.5メートル程度、上に持ち上げることですから、ものすごいエネルギーを消費する事になります。

立ち上がることが人体の第二の構造欠陥です。便利ですが、立って生活する限り、他の動物が成長完了期間の5倍生きるのに対し、人間は4倍しか生きられません。人間の成長完了は24歳。120歳まで生きるなんて、とても無理です。

ヨーロッパの人などは、大人でも10時間くらいきちんと寝ています。彼らには二千年前から続く歴史の智恵があるからです。しかしわれわれ日本人は、こんな大事な事を自らの意思で捨てています。こんな愚かな国民がありましょうか。

ここのままいくと日本は本当に潰れます。口呼吸と睡眠不足、腸を冷やすという生活が間違っているだけなのに・・・

エネルギーが分かれば、生きていくのは本当にやさしくなります。しかし、睡眠時間は6時間以上にできない、どうしても冷たいものはやめられないという人は、寿命と病気は諦めてください。(笑)

これがエネルギーの法則ですから。

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2005年7月 5日 (火)

前回の続きです

「日本中を駄目にしている二つ目の問題点は、「冷たいもの中毒」です。

世界中でビールを摂氏四度くらいに冷やして飲むのは、日本とアメリカ、東南アジアだけです。ヨーロッパでは常温か、冬のドイツでは四十度から八十度に温め飲んでいます。体温を下げ、腸を冷やす事はとても体に悪いことなのです。

私たちの体は、細胞小器官のミトコンドリアで熱を作っているのですが、この熱は、例えばテレビのように機能するときの副産物として出る熱で、温める目的で作られているわけではありません。その上、水はこの世で比熱が一番高い物質です。摂氏四度のビールと体温の差は三十二度、それを温めるためには、多くのエネルギーを消費する事になります。

また、冷たいものは、近年アメリカと日本で急激に増えているアルツハイマーの要因にさえなります。腸を冷やすと、腸や神経のミトコンドリアが死に、エネルギー生産が止まるので、直ちに、神経細胞がアポトーシス(細胞死)を起こします。アメリカの富裕層が必ず食べる食後のアイスや日本人のビールがその原因に挙げられます。冷たいビールを毎日二本ずつ三十年間飲み続けると、筋肉や神経が壊れ、アルツハイマーをはじめ、呼吸筋麻痺や失明を起こすのです。それほど冷たいものは危険なのです。

ですから、現在の医学で行なわれているように脳だけを研究し、毒物やばい菌を探してばかりいても無意味です。病気になっているのはただただエネルギーが関係してなっているだけなのですから。それを見落としているから、訳がわからなくなり「環境ホルモン」などと言い出す。分かってしまえば、本当に簡単に病気や命を正すことができるのです。

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2005年7月 4日 (月)

口呼吸、睡眠不足、体を冷やす食生活が体を壊す

今回は2004年2月号の致知より医学博士 西原克成氏の講演会の要約抜粋を転載させていただきます。長いので、3回にわたって掲載します。健康を回復するヒントにして下さい。特に、口呼吸は、それを改善する指導や器具が全国の歯科医院で取り入れられてきています。もちろん、当医院も積極的に行なっています。

「いま日本は、非常に危機的状況にあります。先日、五十年ぶりの同窓会で「健康は呼吸で決まる」と言う話をしたのですが、同級生には既に亡くなっている人も数人いて、級友の子供や孫の多くがアトピーなど何らかの免疫病を患っているというのです。

どうしてこんな状況に陥ってしまったのでしょう。それは、現在の免疫学が完璧に間違っているからです。

実は、病気はウイルスではなく、エネルギー代謝の阻害によって引き起こされています。このことが全く理解されていないため、病気が治せないのです。

がん細胞を壊す放射線療法や温熱療法など、エネルギーを利用した治療法もありますが、本質的に理解して使っているわけではありません。エネルギーとは、質量の無い重力や光線エネルギー、寒冷刺激、温熱刺激などのことをいい、これらが外側から体に作用することにより、病気を引き起こすのです。

われわれの細胞内には、エネルギー代謝を担当しているミトコンドリアが存在しています。ミトコンドリアはもともと寄生体で、十八億年くらい前に生物の細胞に寄生した酸素の好きなバクテリアでした。このミトコンドリアは、外からくる熱や重力など、エネルギーの影響を良くも悪くも受けやすいのです。

昭和五十年頃、日本人の生活習慣は大きく変化しました。しかし、その新習慣の三つの問題点が体内のエネルギー量の低下を招き、免疫病の原因になっているのです。

一つは、呼吸を本来の鼻ではなく主に口を使ってする口呼吸です。口呼吸が出来るのは、哺乳類の中で一歳以上の人類だけ。しかしこれは人体最大の構造欠陥であると言えます。これゆえ、人類だけに存在する病気、免疫病が起きるのです。

口呼吸をすると、寝ている間にのどから雑菌がリンパを介して止めどなく血液や白血球の中に入って、体中を巡ります。この雑菌はもとは無害ですが、あらゆる臓器に入る事によって病気を引き起こします。口呼吸をやめて、後述する他の二つのエネルギー消費を制御すれば、潰瘍性大腸炎から気管支炎、アトピー、失明まですべて根こそぎ治ります。口呼吸を直すには大人用のおしゃぶりが有効ですが、咀嚼器官やかみ合わせが悪いと駄目なので、人工歯根療法などを施す場合もあります。」

続きは次回・・・

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2005年7月 2日 (土)

唾液が出ない

最近、唾液が出ない、あるいは少なくなって、口腔乾燥症を訴える方が増えてきました。健康な時は、唾液の働きなんて気にも留めない方がほとんどだと思います。ところが、我々歯科の専門分野でも、最近改めて唾液の働きを再評価する動きがさかんです。詳しくは、また機会を設けて説明していきたいと思います。唾液が出ないと入れ歯は痛くて入れられないんですよ。知っていました?

日本人、特に中年と呼ばれる年齢以降の方々に、漫然と様々な薬を飲み続けている方が多いように感じられます。副作用の無い薬は存在しません。例え漢方薬と言えども副作用はあります。(重大な副作用を持つ漢方薬もたくさんあります)また、若い人には精神安定剤や睡眠導入剤を飲んでいる人が最近増えてきました。

我々は、特に病気が急性期の場合は、その薬の作用が副作用を差し引いても効果があると思われる場合のみ処方します。 病気が急性期を通り越して慢性期に入ったら、基本的に投薬は止めて病気の原因を直す根本的な治療に入ります。(医科の場合は多少違う場合もあるとは思いますが)

野生の動物が怪我をしたり病気になったりしたら、じっと安静にして回復するのを待ちます。人間も本来そうあるべきで、十分な休養や睡眠を取り、タバコやお酒、過食を控えれば、人間が本来持っている生命力や自己回復力が上がり、生活習慣病(成人病)と呼ばれるものはかなり回復するのではないかと思われます。ところが現代人はそこの所を我慢できず、その分をクスリに頼ろうとする傾向があります。私も含めて、一旦体に染み付いた文明生活を昔の質素な生活に戻すのは、大変な事です。特に、過保護に育てられた今の子ども達は危機的な状況にあるといっても過言ではありません。

毎日のように、「まじめ」「普通の」と呼ばれる子ども達が引き起こす凄惨な事件を目にすると、私も3人の父親として他人事ではなく心が痛みます。その原因は色々と言われていますが、食の問題や生活習慣の問題が大きく関わっている事は明白です。

十分な睡眠を取り、安静にし、体に害のあるものを遠ざけるという原点に帰ってみてください。その上で、漫然と飲んでいる薬を少し減らしてみると、かえって体調が良くなるかもしれません。事実、真面目な方ほど医師の指示通りにきちんと薬を飲み続けるのに対して、飲んだり飲まなかったりという人の方が健康だったりします。もちろんケースバイケースですが。

話題がそれてしまいましたが、唾液が出ない原因の中で、薬の副作用が占める割合が大きいのではないかと思われます。私の医院にきちんとメンテナンスに通っていただいて、それまで何の問題も無かった方で、急にたくさんの虫歯ができたり歯周病が急激に進行している事があり、いろいろお聞きしてみると、最近○○の薬を毎日飲むようになったと言われる場合が多いです。ある方は向精神薬を飲みだして、見るたびに歯がぼろぼろになり、それに伴って腰も曲がり、あっという間に年齢よりはるかに老けた、杖をついたおばあさんになってしまいました。

私自身、少々体調が悪くてもほとんど薬を飲みません。仕事を休むわけには行きませんので、とにかく睡眠と休養に気を付けて、じっと回復を待ちます。もちろん、よっぽどひどい急性期には多少薬は飲みますが、必要最低限にしています。(たまにしか飲まないので薬もよく 効きます)意外と薬をよくわかっていて、出す立場のドクターにそのような人が多いような気がします。

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