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2005年10月20日 (木)

重力と健康

我々人間を含めて、地球上にある全ての物に対して重力というものが働いています。子どもでも知っている当たり前の事ではないかという声が聞こえてきそうです。日頃、その力を意識する事はほとんどありません。山に登ったり階段を登ったりする時に私など、体重の増加と筋力の衰えを感じるくらいです。

人間と同じ寸法で人形を作って床に立てようとしても、至難の業です。皆様もご経験あるのではないでしょうか。足の裏の接地面積が小さすぎます。では、人間はなぜ特に意識する事も無く立っていられるのでしょうか。それは、常に体の平衡を感じる器官によって調節されているからです。

従来、平衡をつかさどる器官は、耳の三半規管だと言われてきました。その構造や働きは、ここでは割愛しますので、知りたい方はインターネットや本等でお調べください。ところが、最近の研究で(前から気付いている方もいらっしゃったかもしれません)下顎もそれに関与していることがわかってきました。

試しに、目をつぶって立ってみて下さい。それだけでふらつく方は、薄目を開けていただいてもかまいません。体全体をリラックスさせて、下のあごを前後、左右に動かしてみて下さい。どうでしょう。姿勢が変化するのがわかるのではないでしょうか。下顎は、両端に関節(顎関節)があり、そこの靭帯などで頭の骨にぶら下がっている構造をしています。そのため、ある範囲の中では自由に動かすことができます。逆にいうと、簡単にずれる事もあるということです。

とあるオリンピックの体操選手が試合前に1本歯を治療したため、宙返りがうまくできなくなったという実話があります。彼らは極限までのバランス感覚や平衡感覚を駆使して演技をおこないますので、歯の治療によって微妙(ほんの数ミクロンくらいかもしれません)にあごのずれが生じたことによってそうなったと推察されます。

目まいがひどく、吐き気などを伴い、立つ事ができなくなる事もあるメニエール病というものがあります。普通は耳鼻科に行かれる事が多いのですが、上記のような事を考えると、かみ合わせのずれから起こる事もあることが理解できるのではないでしょうか。実際、歯科のかみ合わせ治療で治るケースも多くあります。

人間の真ん中を通っている背骨(脊柱)は、皆様もご存知だと思いますが、決して1本の硬い骨ではありません。小さい積み木を積み上げたような構造をしており、それぞれのすき間には軟骨のクッションが入っています。これが飛び出して悪さをするのがヘルニアです。

ではその積み木が崩れないのはなぜかというと、その一つ一つに筋肉や腱が着いていて、色々な方向に引っ張って安定させているからです。丁度、テントを張るときに、支柱をロープで引っ張って地面に固定するようなものです。当然、全ての方向に均等に力がかかっている時が、一番小さい力で安定させる事ができます。ゆがんでいると、力の不均衡が起り、ねじれが出てきます。

では、人間の姿勢がゆがんでいると、どのような事が起るでしょうか?だんだん想像がついてきたのではないでしょうか。そのあたりをまた次回、書いて行きたいと思います。健康になるためのキーワードは「重力」です。

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