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2005年10月22日 (土)

重力に負けないために

頭の重さはボーリングの球とほぼ同じくらいの重さ(約4キロ)があります。これが首の骨の上に乗っているわけです。試しに4キロの球を棒にさして持ち上げてみればわかります。ちょうど棒の真上にあるときは、バランスがとれていてさほど重さを感じませんが、ちょっとでもずれると手元にずしっと重さがかかってきてその態勢を維持するためにはかなりの力を要します。

人体も同じ様に考えるとわかりやすいと思います。頭が脊柱の上にバランスよく乗っている時は、それを最小限の力で維持する事ができますが。どちらかに傾くと、それを支えるために、その力と拮抗する筋肉が緊張する事になります。筋肉は働くとその中に乳酸などの物質が蓄積されます。これは、時間と共に処理されてなくなるのですが、筋肉が常に緊張を強いられると、溜まりっぱなしになり、それがこりや痛み、腫れの原因となります。マッサージなどは、それを強制的に排出させる働きがありますので、そのときは良くなるのですが、原因が解決していないと症状は繰り返されます。

マッサージなどは日頃やらない運動をした後の筋肉痛などには良いと思いますが、姿勢などから来る凝りは毎日の事であり、原因を解決しないと定期的に通い続けなければならず、なおかつ完治は難しいということになります。もちろんやった後は体が軽くなると思いますので、即効性がある治療だとは思います。

前回、顎(下顎)が姿勢を保持するのに非常に関係があるというおはなしをいたしました。また、頭の骨にぶら下がっている状態ですので、簡単にずれるということもお話いたしました。

「なくて七癖」という言葉がありますが、どうでしょう。例えば、ほおづえをつく手は毎回おなじではないでしょうか。横を向いて寝る方は、枕の位置がいつも同じではないでしょうか。足を組む時、上に来る足はいつも同じではないでしょうか。物を食べるとき、いつも同じ側で食べてはいないでしょうか。テレビはいつも座る位置のどちら側にあるでしょうか。一定ではないでしょうか。などなど、ちょっとした生活習慣の中でもかみ合わせ(顎)のずれは起ります。

人間の体は、何か不都合があると残りの機能でなんとかそれを補おうとします。頭の位置がずれると、そのままでは体が倒れてしまいますのでそれを支えようと首がずれる、それを補おうと肩がずれる、さらにそれを補おうと腰がずれる、同じ様に膝、足がずれるという風に、結局体全体がゆがんでしまいます。いつもどこかの筋肉が過緊張を起こしており、それに伴う不快症状を抱え続けるという状態に陥ります。

私は構造医学というものも勉強しているのですが、その中でも顎(下顎)の大切さに触れられています。人間の祖先は重力に拮抗して立ち上がりました。チンパンジーと人間の遺伝子は、97%くらいが同じだそうです。ではその差は何かというと、直立2足歩行をするかどうかだけだと言っても言い過ぎではないようです。

私が住む熊本の阿蘇に猿回し劇場があります。そこの話を聞くと、まず教える事は2足歩行であり、それができるようになると急速に芸の覚えが良くなるそうです。人間も立ち上がった時から脳の発達が急速に進んだと考えられます。つまり、2歩足で立つということは、人間を人間たらしめていると言っても言い過ぎではないようです。重力に対して最小の力で立つ事により、その他の事に力を注ぐ事ができるわけです。続きはまた次回。

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