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2006年1月24日 (火)

第10回日本咬合学会に参加してきました

1月21,22日の二日間、東京で開催された第10回日本咬合学会に参加してきました。熊本を出たときは天気だったのですが、東京に近づくにつれて雲が厚くなり、飛行機も結構揺れてやっと羽田に降りたと思ったら、一面に雪景色でビックリしました。夜までボタン雪が降り続き、道路もズルズルでやっとの思いで会場に到着いたしました。

日本咬合学会は開業医で構成される団体で、詳しくはホームページを見ていただければ解りますが、私がよくこのブログで書きます、かみ合わせを正しくする事によって、歯科に限らず様々な病気が治るといった治療の研鑚を深める集まりです。

今回は「咬合と健康長寿」というテーマで、特別講演、課題講演、教育講演が行なわれました。21日は午後1時~6時半、22日は午前9時~午後4時半までほとんど休み時間も無く密度の濃い内容でした。日頃あまり頭を使っていないせいか、集中力を持続させるので精一杯でした。

なぜかみ合わせを治すと全身の様々な病気が治っていくのか、今までは結果論だけで述べられていた所がありました。そのため、西洋医学を心酔する方々からはエビデンスがないと批判され、場合によっては眉唾ものの治療だと言われる事も多々ありました。実際患者様はよくなって喜ばれていますので、それが最大のエビデンスだと思うのですが、どうも動物実験や検査値の上できちんとした結果が出ないと納得しない方々が多いようです。

ところが、今回講師にお招きした脳を研究されている方々の発表の中で、ファンクショナルMRIなどを使った研究により、体、特にそれをコントロールする中心である脳とかみ合わせとの関係が少しずつ解明されてきました。特に、北海道大学医学部教授の澤口俊之先生は、日本でも5本の指に入る世界的な脳のスペシャリストですが、ある出会いでこの治療を実際に受けられて、うつ傾向が吹っ飛び非常に元気になられてそれが現在も持続しているというご経験をお持ちなので、当学会でも毎回講演していただくのですが、ご多忙の中、本腰を入れてかみ合わせと脳の関係の研究に着手され、まだまだ始まったばかりですが、第1報として、非常に興味深い、よいデーターが出ていました。今後、必ずエビデンスができると確信し、心強く感じました。公演内容は非常にためになるものですので、追ってご紹介していきます。

今回は特別講演の中で学会と同じ「咀嚼と健康長寿」という演題でご講演いただいた、朝日大学名誉教授の船越正也先生の内容を記載させていただきます。

「咀嚼と健康長寿」                   朝日大学名誉教授 船越正也      現代日本人の死亡原因の上位を占めている癌、心筋梗塞、脳梗塞、感染性疾患、老衰には共通する一つの要因として、生活習慣、特に食習慣に過食、高カロリー摂取が認められる。この食習慣は肥満、高脂血症、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、細胞癌化、細胞老化、死へと連鎖的に進行していく。このような連鎖反応の引き金を引くものはフリーラジカル(活性酸素群)であると考えられている。したがって、健康長寿の達成には肥満と活性酸素群の抑制が問題解決の鍵となる。

1.咀嚼と肥満予防                                           肥満の原因は、摂取カロリーが消費カロリーを上回っていることである。それゆえ肥満を防ぐには、栄養素の種類にかかわらず総摂取カロリーを消費カロリー以下に抑えなければならない。食欲をそそる美食が溢れている現在、食物摂取量を抑えるには、フレッチャー氏の完全咀嚼方法が推奨される。これは口に入れた食物を自然に食道に流れ込むまで充分に咀嚼する食事法である。食物の性状にもよるが、一口30回以上咀嚼していると口腔感覚刺激が視床下部に神経ヒスタミンを増加させ、満腹中枢を興奮させて早く満腹感が生じ、過食が予防されるので肥満を防ぐ事が出来る。また、既に肥満の者には減量効果が現れる。

2.咀嚼と抗酸化作用                                         従来、健康増進の基本として栄養、運動、休養の三者が挙げられてきたが、生活習慣病、免疫低下、発癌、老化などのメカニズムにおける活性酸素群の関与が明らかとなり、今日では栄養、運動、休養加えて生体の抗酸化作用を高める事が人間の健康長寿にとって不可欠の問題となってきた。活性酸素の発生を抑えたり、発生したものを捕捉除去する抗酸か物質としてカタラーゼ、ペルオキシターゼ、ラクトフェリンなどがあり、これらは唾液中にも含まれている。したがって良く咀嚼すると唾液分泌が亢進し上記の抗酸化物質も増加して活性酸素の害を抑制する事ができる。

3.咀嚼と健康長寿                                           抗酸化物質には上記の他にビタミンA,C,EやSODなどがあり、また細胞を増殖、成長させ、あるいは老化、死滅した細胞を再生補充するための核酸や口腔粘膜および病原菌の表面を被覆し、感染を予防するタンニンなど健康長寿に有効な物質を多く含む植物性食品が種種知られているが、これらの健康長寿食品も良く咀嚼することにより植物細胞から有効成分を引き出し体内に吸収利用する効率を高めることができる。このように咀嚼は健康長寿に貢献している。                   以上、抄録より

日本人の死因は高い順に、癌、心臓病、脳卒中、肺炎と続き、上位3つは完全咀嚼法によりかなり防げることがわかっています。歯になにかトラブルがあれば、当然しっかり噛む事はできません。また、しっかり噛む事は小食にもつながり、健康になれば医者にもかかる必要が無く、余分なクスリも飲まなくて良くなりますので医療費を減らす事もできます。当然、なにか器具を使うわけでもなく、ちょっと注意するだけで今すぐに始められるので誰でもいつでもできる事です。また、唾液中に含まれるパロチンという物質は不老長寿に大きく関係する物質と言われていますので、よく噛んで唾液がたくさん出るとパロチンも多く摂取できます。

ネズミの実験ですが、同じ内容の固形食と粉末食をそれぞれ与えて育てると、明らかに固形食を食べているネズミが長生きをします。つまりよく噛んだネズミが長生きしたということです。

日本人の寿命は世界1位を続けていますが、いくら長寿でも健康でなければその価値が半減します。ぜひ口の中を整えて名実ともに世界1位の長寿を保っていきたいものです。

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