低体温は病気の一歩手前です
最近は、平熱が35度代の方が結構いらっしゃいます。これは、結構問題です。
人間の体の中は常に化学反応を起こして維持されています。それをつかさどるのが「酵素」と呼ばれるものです。この酵素が活動するには、適温というものがあります。通常、成人の日本人ならば36度5分前後と考えられます。つまり、この温度が平熱としてもっとも適している温度と考えられます。35度代になると、酵素の活動が弱まるのは想像がつくでしょう。たかが1度前後の事ですが、生体のとってみれば非常に大きな差になります。
では、なぜ低体温がおきるのでしょうか?原因は色々考えられます。一つは生活習慣の変化です。特に今の若い人は入浴をシャワーで済ませて、湯船にゆっくり浸かる事がない方が多いようです。やはり入浴は湯船にゆっくり浸かって体の芯から温める事が大事です。このときの温度は体温+4℃が最も快適に感じる事がわかっています。このとき、副交感神経が刺激されます。この神経はリラックスの神経ですので、眠たくなったりします。ちなみに、熱過ぎると交感神経が刺激されますので、逆に興奮状態に入りますので、よっぽど目を覚ましたい時以外は避けた方が体のためです。
また、食生活からも低体温が起きます。今の方(特に若い方)は、冷たいものを飲み食いする機会が非常に多いと思います。ペットボトルを片手にという姿をよく見かけます。夏場、とくに私が住んでいる熊本などは全国の最高気温でよく1位になるくらい暑いので、そのような場合は熱を逃がす事も大切になります。しかし、寒い時期に習慣で冷たいものをとり続けると、当然、体はどんどん冷えてきます。体を温める食物と、冷やす食物もあるのですが、それはまたの機会に書きます。
生活環境で言えば、エアコンの普及もあります。最近の夏場の気温は我々が子供の時よりも明らかに高くなっていると思います。昔は窓を開けて、蚊帳と扇風機でなんとか寝れたものですが、今はエアコンのタイマーが切れると目が覚めて、再度つけてしまいます。 熱中症などの予防にもエアコンは必需品だとは思いますが、設定温度が問題です。ガンガン冷やしてカーデガンを着ながら仕事をするような状況はちょっと考え物です。今流行のクールビズではありませんが、着るものなどで自分でできる範囲のコントロールをして、エアコンはそれを補う程度の使用に留めたいものです。地球にも優しくなります。
運動不足も体温が上がらない原因になります。筋肉は体内で熱を発生する主要な器官です。寒い時に体がぶるぶると震えるのは、筋肉を収縮させて熱を発生させるためだと言われています。現代人は慢性の運動不足に陥っています。車社会が浸透して、ちょっとそこまで行くのにも車やバイク、自転車に乗ってしまいます。人間にとって歩く事は健康維持に非常に大切な事です。これにつきましては、以前触れていますので、ご興味のある方はそちらをご参照ください。運動不足は生活習慣病の原因にもなりますので、ぜひ運動、特に散歩は心がけたいものです。
最後に、若い人に多いのが夜更かしです。夜起きていると、交感神経の刺激が夜間にシフトして、朝起きた時からお昼過ぎまで眠った状態に入ります。覇気がなくて手足が冷たく低体温で、15~16時になると元気が出てきて、夕方から仕事がはかどるというパターンに陥ります。思い当たる方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
30代後半くらいから増えてくるのが、クスリの常用による低体温です。これについてと、補足をまた次回書きたいと思います。
今の平熱は何度か、是非1度測ってみて下さい。
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