口臭を防ぐには・・
前回、口臭には生理的口臭と、病的口臭があるとお話いたしました。生理的口臭は誰にでもあるもので、ちょっと気をつければかなり防ぐ事ができるのに対して、病的口臭は、基本的に原因をきちんと治療しないといけません。
よく、胃が悪いと口が臭いと言われますが、実はこれは迷信です。普通は、胃と食道の間は食べ物や飲み物が逆流しないようにピッタリと閉じています。そのため、胃から臭いの原因となる物質があがって来ることはありません。よっぽど特殊な場合、例えば胃がんの末期、進行した食道の病気などがない限りは臭いの原因とはなりえません。
ただ、肝臓病とかいくつかの病気が原因にあることはあります。ただ、口臭が強くなるような場合は、体の調子も悪くなるのですぐにわかるでしょう。
欧米はキスで挨拶をする習慣がありますので、口臭があると人間関係に支障をきたしますので、元々お口への関心が非常に高いわけです。「歯の健康は、すなわち体の健康だ」という意識が国民全体に行き渡っていますので、歯科医院での定期健診とクリーニングは、今では全身健康管理のために欠かせない要素として、生活の一部になっています。
歯科医院で半年に1度歯石を取り、PTC(プロフェッショナル・トゥースクリーニング)を受ければ口臭の心配はまずしなくて良いとみんな知っています。自分の健康管理のためにそれくらいの努力ができない人は、知性が低い、意志の弱い人だと国民がしっているのです。
歯磨き剤やうがい薬は実は口臭予防にはほとんど効果はありません。お口の中がミントでスウッとして気持ちが良くなるだけで、口臭自体は減っていません。
口臭予防には、回数を多くブラッシングする事です。それにフロスも併用します。
これよりもっと効果があるのは実は食事です。朝昼版、飲んで終わりの簡便な総合栄養食ではなく、固形物を良くかんで食べることです。食塊が舌や粘膜を掃除してくれますので、食前に比べて口臭が8割も減ります。
意外と見落としがちなのが、舌の清掃です。舌の表面には、舌苔というものが着いています。この中には口臭を作り出す細菌がたくさんいますので、これを減らす事は口臭を減らす事に非常に効果的です。舌の掃除で口臭が6割減り、効果がしばらく持続します。
自分の口臭は慣れがありますので、わかりません。やはり人に臭ってもらわないと本当の口臭の有無はわかりませんので、かといって身近な人でも口臭をチェックしてもらうのは何となく気が引けます。ぜひ歯科衛生士と仲良くなって、定期健診のたびに、こそっと口臭の有無を確認してもらってください。
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