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2006年12月16日 (土)

よく噛んで食べるためには

食べ物は、よく噛んで食べた方がよいということは、誰でも知っていることでしょう。しかし、なかなか実行できないのは何故でしょうか?

例えば、一口30回噛んで食べましょうとよく言われます。では極端な例ですが、豆腐を30回噛んで食べるでしょうか。意識すれば30回噛めますが、無意識だと数回噛めば飲み込んでしまうでしょう。

つまり、よく噛んで食べるには、それなりの献立の工夫が必要だということです。

食事時間と咀嚼回数を調べた調査があります。

・卑弥呼の時代:食事時間51分、咀嚼回数3990回、食べたもの、かわはぎの干し物、          栗、くるみ、ノビル、もち玄米おこわ、アユの塩焼き、長いもの煮物、はまぐりの潮汁など

・源頼朝の時代:食事時間29分、咀嚼回数2654回、食べたもの、いわしの丸干し、梅干、玄米おこわ、里芋とワカメの味噌汁など

・徳川家康の時代:食事時間22分、咀嚼回数1465回、食べたもの、タイの焼き物、里芋とゴボウなどの煮物、ハマグリの塩蒸し、かぶらの味噌汁、納豆、麦飯など

・現代:食事時間11分、咀嚼回数620回、食べたもの、ハンバーグ、スパゲッティー、ポテトサラダ、コーンスープ、プリン、パンなど

・子供:食事時間数分、咀嚼回数170回、食べたもの、ハンバーガー

これは、神奈川歯科大学教授 斎藤茂氏の調査によるもので、当時食べられていたと思われる食べ物を、ボランティアで参加していただいた学生と子ども達に実際に食べてもらう事で得た数値です。

つまり、よく噛むためには食事の工夫をすれば、必然的に噛まなければ飲み込めないようになってくるという事です。ただ、今の子ども達は軟食の慣れてしまっていますので、いきなり硬いものに代えても拒否されますので、献立の内容を少しずつ噛み応えのあるものが混じるように工夫していく必要があります。これを大切な事だと思うか、面倒くさいと思うかは、貴方次第です。

日本の食の乱れは危機的だとも言われています。食は命の源です。生命力にも通じるところがありますので、何も特殊なものや高価なものが必要と言っているのではなく、日常の中でちょっと工夫をしたり気をつけたりすれば事足りますので、面倒くさいと思わずに、実行してみて下さい。きっと何かが変わります。

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2006年12月11日 (月)

無事講演会が終わりました

12月9日(土)に私が講師を引き受けた講演会が無事終わりました。この準備のために、スライドを170枚程作製しておりましたので、ブログの方を少々さぼっておりました。今日からまた気持ちを入れ替えて充実させていきたいと思います。

講演の内容は、いつもこのブログで紹介している「臨床生理咬合」の中から「全身の健康に良いかみ合わせ」と「咀嚼運動とは何か」という2本立てでした。

2時間いただきましたので、半分ずつと思っていたのですが、あいにくの天気で集まりが遅れた為、開始が遅れた事と、私の方があれもこれも話したいと欲張ったせいで、時間が足りずに尻切れトンボになってしまいました。演者たるもの、丁度良い時間の中で、丁度良い内容で終わるのも技量の一つですので、未熟さを痛感いたしました。歯科医師相手だったので、気合が入りすぎたようです。

かみ合わせ(正確には下顎の位置)を正すと、様々な症状が良くなり、全身が健康になるという考えは、まだまだ一部の人にしか浸透していないため、今回もなるほどど納得していただいた方と、怪しい事をやっていると懐疑的に見られた方がいました。当然だと思います。

私自身もこの治療に取り組みだして、3年程ですが、最初は半信半疑で勉強していました。同じ時期に勉強を始めた方の多くの先生方が途中で去っていきました。我々はどうしても西洋医学的な考えが身に染み付いていますので、実験的に検証されないと、目の前の事実を認めたくない所があると思います。

また、今まで歯科界で積み上げられてきた理論と全く異なるため(本質的には通じているとは思うのですが)、どうしても考え方のベースをそこに求めてしまうので、アレルギーを感じてしまう部分もあると思います。私も最初の頃、丸山教授から「今までの考えを全て捨てなさい」とよく注意されました。

良く私が書きます不定愁訴(検査をしても特に悪くないが調子が悪い、はっきりした原因が解らないなど)を持っている方は、少なく見積もっても国民の3分の1いると言われています。

私自身はこの治療で悩んでいる方の一部でも救う、あるいは症状を軽くする事ができれば、大変素晴らしい事だとおもいます。

先日福岡センターの丸山教授の診察に次のような患者様が来られました。

・63歳女性、医科での診断名は「小脳萎縮症」、5,6年前より発症、運動能力がだんだん低下、現在は付き添いがないと立てない、最近は言葉も少し出にくくなってきた、下顎の位置を丸山教授が正しく補正すると1人で立てるようになり、全身に力が出るようになった

この患者様はお医者さんからすごく高価なクスリはあるが、飲み続けなければいけない。その他には今のところこれといった治療法はないと言われたそうです。かみ合わせを治せば完治するとは決して言いませんが、少なくとも良い方向に向かう、あるいは病気の進行を少しでも遅らせる事はできるのではないかという希望を持つ事ができたと思います。

この様に、極端ではないにしろ、体調不良をかかえたまま日常生活を送っている方はたくさんいると思います。その様な方のほとんどが、かみ合わせと全身健康の関係をご存じないと思いますので、このブログやホームページを通して、さらに色々と知っていただきたいと思います。

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