« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »

2007年4月24日 (火)

よく噛んでメタボリック症候群を予防

メタボリックシンドローム(症候群)という言葉を良く聞くようになりました。少し前の「生活習慣病」「成人病」に該当するものです。

色々と定義がありますが、詳しい事は省略します。その中で、最も大切な項目が、「肥満を防ごう」という事です。これは、何も成人だけではなく、子供にもその予備軍がたくさんいます。飽食と運動不足から来るものでしょう。

よく噛む事が、肥満を防ぎ、ダイエットにつながる事をご存知でしょうか?次に書く事は、実話です。

百年程前に、フレッチャーさんという時計屋さんがいました。彼は、事業を成功させ、毎日運動もせず、グルメ三昧の生活を送っていました。そのせいで、体重も100キロを越えてしまい、極度の肥満に陥りました。医者からは、様々な病気の予兆を指摘され、ダイエットの必要に迫られました。

色々と試して見ましたがなかなかうまくいきませんでした。そんなある日、彼が痩せて健康を取り戻す事を思案しながら散歩していた時、ある家の食事風景が目に入ってきました。その家庭は、貧しそうではあるがとても楽しそうな風景でした。その時、彼は突然ひらめきました。それは「自然の食べ物を、楽しく、ゆったり、よく噛んで食べること」でした。

それを実行するにつれてだんだん体重が減り、5ヶ月で30キロも減量する事ができました。運動する意欲もわき、自転車競技でも優勝しました。彼の噛む健康法は、栄養学の権威者にも証明され、「フレッチャイズム」と名づけられました。

試しに、食事の時に自分が何回くらい噛んでいるかを数えてみてください。よく我々は「一口30回を目標に」と患者様にご指導しますが、30回噛もうとすると、結構な重労働に感じる方もいます。日頃、たくさん噛む週間のない方は、食事の途中で顎がだるくなって、場合によっては休憩を余儀なくされる場合もあります。

よく噛むためには、食事の中身も大切です。極端に言うと、豆腐を30回噛もうとしても、すぐにどろどろになってしまいますので、難しいと思います。現代の食事、特に若い世代の食事が軟食化していますので、献立の中身を少し噛み応えのあるものに変える必要があるでしょう。

また、食事の時に、水やお茶、場合によっては牛乳などの飲み物を一緒にとる子供(大人も)をよく見かけます。これだと、胃の中に流し込んでいるだけですので、噛む回数が増えるはずがありません。よく噛めば、唾液の分泌が盛んになりますので、水分を補給しなくても、ちゃんと飲み込めるはずです。

ちなみに、私は食事の時に一切水分をとりません。(カレーの時のお水は例外です)それで何の問題もありません。食後の水やお茶も無くても構いません。水分を取りながら食事をする習慣がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。

よく噛むと、唾液がたくさん分泌されます。唾液の中には、たくさんの体に良い物質が含まれています。その中の一つである「パロチン」という物質は身体の老化を防止するといわれています。つまり、不老長寿の特効薬は、実は自分の体の中にあったという事です。

また、満腹感を感じる満腹中枢は、食事を摂って少し時間をおいて刺激されます。あまり噛まずに早食いをしてしまうと、満腹感を感じる前に過食になってしまいます。逆に良く噛んで時間をかけると、小食でも満腹感を感じます。よく、コース料理などを食べると、前菜から始まって、ゆっくりゆっくり料理が出てきますので、そんなに食べていなくても、おなかいっぱいになった経験が誰でもあると思います。

ある番組で、長寿の方の食事風景が出ていたのですが、その方はひとくち食事を口に入れると、お箸を置いて、そのまましっかり噛んで飲み込んで、お口の中から完全になくなるまでお箸には手をつけませんでした。

私はなるほどと、感心しました。

よく噛む事は、今日から誰でもできる事ですし、特別な道具やくすりなどもいらず、最も安上がりなダイエット方法だと思います。後は、やり続ける根気だけです。ぜひ、今日から実行してみて下さい。

| | コメント (1) | トラックバック (16)

2007年4月11日 (水)

石川県の震災に思う

先日の石川県で起きた地震に被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。阪神大震災もそうでしたが、元々地震が少ない地域だったそうですので、いつわが身に同じ状況が降りかかるかと不安になります。

避難所暮らしも長くなると、健康上様々な問題が起きてくるようです。寝不足やストレスは健康の大敵ですので、1日も早い復旧をお祈り申し上げます。

日本人のモラル低下が叫ばれていますが、今回も火事場泥棒のような行為が出ているようで、情けなく、悲しくなります。アメリカなどではもっと激しい略奪や暴動が起こりますので、それに比べればまだましという意見もありますが、やはりあってはいけない行為です。

震災の片付けに便乗して、今は回収が有料化されている粗大ごみなどの不法投棄もされているようですし、援助という名目で、家庭でも不要になったような古い毛布や古着などが送られてきて、かえって現場の混乱を招いているようです。

メディアでも報道でもあっていましたが、ボランティアに駆けつけていただくのは非常にありがたいのですが、ある程度経験や知識がないと、結局何もできないそうです。善意は非常にありがたいのですが、そのあたりを考慮いただければという事でした。ボランティアの難しさを感じます。

現代の日本人は宗教色が非常に薄くなっています。神社に初詣に行って、クリスマスをお祝いして、仏式でお葬式をあげてというのは日常茶飯事だと思います。

神を常に意識していればそれが絶対的な正義であり、物事の判断は常に神を基準にしますので、ある程度のモラルが保たれます。(とはいうものの、歴史上の悲惨な戦争のほとんどが宗教がらみというのも事実であり、宗教に準じるあまり、かえって残忍な行為を平気で行ってしまうというケースもありますが)

日本には「お天道様が見ている」という言葉がありました。自分の行為の善悪を判断する時に、他人の目を気にするのではなく、社会規範や倫理観を基準にすると言い換えてもいいでしょう。

その様な意識を常に持っていれば、全てとは言いませんが、社会はより良い方向に向かって行くと思われます。少なくとも第2次世界大戦より前の日本人には今よりもはるかに高い倫理観が一般庶民に至るまで浸透していたと思われます。諸外国の人々が日本にやってきて、一様に驚いたと記録にもたくさん残っています。

物質的には世界でも有数の裕福な国となって日本人ですが、いったい何を得て、その分何を失ってしまったのでしょうか?私の様な若造が論じるのはまだまだ早いのかもしれませんが、連日報道される信じられないような事件を目にすると、ここは日本ではなくアメリカなのかと錯覚さえしてしまいます。

私も3人の子供をもつ親として、少なくとも自分の子供たちは最低でもしっかりした倫理観を持たせて成長させたいと思っています。子供は親の背中を見て育つと言いますので、そのためにはまず自分の姿勢を正す事だと自分に言い聞かせています。人の目を気にしない、しっかりとした芯を持った人間に自分もなりたいし、子供もそう成長してもらいたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年4月 7日 (土)

タミフル騒動に思う日本人の薬剤依存症

この所、連日のようにインフルエンザ治療薬のタミフルに関するニュースがメディアを騒がせています。タミフルに起因すると疑われている異常行動による死者が、当初の発表よりもどんどん増えています。

タミフルと異常行動の因果関係は、まだはっきりと証明されたわけではありません。タミフルを飲まなくても異常行動を起こしたケースもあるようなので、厚生労働省もはっきりと断言できないようです。

私の周りでも、タミフルを飲んで幻覚を見たり、異常行動を起こしたりしたケースを聞きますので、多少なりとも注意が必要かと思われます。

では、タミフルとはどの様なくすりなのでしょうか?

一般にはインフルエンザの特効薬と認識されています。特に、鳥インフルエンザが問題になった時、このタミフルの備蓄が叫ばれていました。生産が追いつかず、大騒ぎになった事は記憶に新しいと思います。インフルエンザには種類があり、よく「ソ連型」とか「香港型」とか言われますが、香港型には効かなかったそうです。

現在、全世界で使用されているタミフルの約8割が日本で消費されている言われています。つまり、逆の考え方をすれば、他の国ではインフルエンザの治療に対してタミフルはほとんど使われていないということです。タミフルは外国で生産されて輸入されますが、その外国でほとんど使われないというこの矛盾を皆様はどうお考えになるでしょうか?日本だけでインフルエンザの8割が発症するとはとうてい考えられません。

インフルエンザが怖いというイメージを持つ原因にインフルエンザ脳症というものがあります。皆様も聞かれた事があると思いますが、数日で死に至る事のある怖い病気です。では、これはどの様な機序で起こるのでしょうか?

一般に、インフルエンザ菌が脳に回って、重篤な脳症を起こすと思われがちです。実は私もその様に思っておりました。ところが実際は、そうではないそうです。

脳に入る所には、関所のような所があって、何でもかんでも脳に通すという訳ではありません。脳にとって不都合なものは、そこで門前払いをされます。インフルエンザ菌もここを通る事はできません。では、何故、インフルエンザ脳症が起きるのでしょうか?

実は、インフルエンザ単独ではほとんど起きる事がなく、それにある種類の解熱鎮痛剤を服用した時に起きます。この二つの相互作用によって、体の中にある種の毒素が急激に発症し(これはインフルエンザ以外の病気や薬剤の服用などによっても発生します)これは脳に到達する物質なので、それによって脳がやられて脳症になり、重篤な経過をたどるというものです。

この手の解熱鎮痛剤は、現在は厚生労働省からの通達によって、処方される事はほとんどありません。インフルエンザは本来、それほど強い菌ではなく、安静にしていれば自然と治る病気だそうです。熱に弱いので、寒い時期に流行します。高熱が出るのは、身体が発熱する事によってインフルエンザのウイルスを排除しようとする自然減少で、解熱剤などを服用してそれを抑えると、逆に長引いたりします。

タミフルが効くとすれば、治癒期間を1,2日短縮できる程度の効果だそうで、逆効果をもたらす場合もあるので基本的には服用しない方が良いと浜六郎医師は主張されています。実際、このような発現をメディアでどんどんされていますが、メーカーから抗議や訴訟を受けた事はないとの事ですので、メーカー側も暗にその意見を認めていると言えるでしょう。

どうも、インフルエンザ脳症というものを声高に叫んで国民の不安をあおり、くすりの消費量を増やすというある種の策が行われているようです。これは、他のくすりにも当てはまるのではないかと思われます。これに関しては、またとり上げたいと思います。

私はいつも書きますが、神様は人間を、ずっとくすりを飲まなければ健康を維持できないようには作られていないと思います。もちろん急性症状の強い時は大きな効果を得られますが、慢性期に入ったら、その効果は疑問です。副作用のないくすりはありませんので、場合によっては、かえって身体を壊しているのではないかと思います。

私自身、緊急時を除いて全くといていいほど薬をのみません。もちろんまだ42歳ですので、そこまでくすりが必要な年ではないかもしれませんが、これから先も、何か身体に不都合が起きたら、なるべく人間本来の生命力を上げるように、運動をしたり、食や睡眠に気をつけたり、うまくストレスを発散したりというような対応で乗り切りたいと思います。

私自身がその様な生活を送って元気でいる事が、その証明になりますので、現張りたいと思います。

ちなみに、インフルエンザのワクチンも、ほとんど効果がなく、場合によっては害になる場合もあり、前述したように気をつければインフルエンザ脳症を起こす事はほとんどないといえますので、酢の必要性は疑問だそうです。

必要以上にインフルエンザを怖がる事は今日からやめませんか?

| | コメント (0) | トラックバック (7)

« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »