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2007年11月16日 (金)

噛まなくなった現代人

咬む事の大切さは、このブログでもさんざん訴えてきましたし、皆様もある程度は認識されている所だと思います。

ちなみに、時代によって咀嚼回数(噛む回数)は変化しています。

・弥生時代   3990回

・鎌倉時代   2654回

・江戸時代   1465回

・戦前      1420回

・現代      620回

となっています。特に戦後の咀嚼回数が激減している事が分かると思います。これは、現代人が食事の時間を惜しんで、噛む時間が短くて済む、柔らかいファーストフードやジャンクフードを多く食べているからだと言われています。

また、健康を維持するためには、本来は食事から必要な栄養素を適切に摂取する事が大切なのに、安易に健康補助食品や栄養剤を多用するという傾向もあります。こうした事で、人間の生存にとって身体的にも精神的にも不可欠な「咀嚼」という行動がおろそかにされ、色々な問題が起きてきています。

小児や未成年が、噛む回数が少なく柔らかい、ファーストフードやジャンクフードばかり食べていると、咀嚼筋(噛むための筋肉)それらが関連する顔やあごの骨の成長発達が遅れ、頭、顔、あご、口、さらに唾液を分泌する唾液腺、特に耳下腺の発育が抑えられ、あごが小さくなります。それに伴って、歯や舌の位置が不正になり、口呼吸となり、虚弱体質を作る事となり、顎関節症や種々の耳鼻咽喉科疾患、姿勢障害、睡眠障害などを発症させやすくします。必然的に、咀嚼の効能も阻害されます。また、中高年以上でも咀嚼の効能が阻害され、健康に影響が及ぶことになります。

では、よく噛むためにはどうしたらよいのか、また、噛む事の他の効能なども、次回触れてみたいと思います。

我々は一口30回噛みましょうと、よくご指導します。ためしに自分が一口何回噛んでいるのかを数えてみて下さい。意外と早く飲み込んでいる事が実感されると思います。

極端な話、豆腐を30回噛もうとしても、なかなか辛いものがあります。食べ物の硬さも大きく関係してきそうです。

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2007年11月 8日 (木)

日本人がおかしい

最近のニュースを見ていると、本当に節操の無い事件ばかりです。昔の日本には「お天道様が見ている」という言葉がありました。

他人の目があろうとなかろうと、自制心で正しい事を行うという事ですが、いまや死語となりつつあります。発展途上国に比べて物が溢れかえっている日本ですが、心はどちらの方が満たされているのでしょうか?

私はいつも自分自身に「足るを知る」という事を言い聞かせております。

京セラ会長の稲盛和夫氏の素晴らしい言葉がありましたので、引用させていただきます。


かつて日本の社会のいたるところに、上質な人間がいました。
たとえ経済的に豊かではなくても高邁に振る舞い、上に媚びず下には謙虚に接し、自己主張することもなく、他に善かれかしと思いやる――そんな美徳を持った日本人がたくさんいました。
また、そのような人々によって構成されていた集団も、おのずから高い品格を備えていました。
たとえば、ものづくりの現場には、自分がつくった製品でお客様に喜んでいただけることを誇りに思い、品質管理を強制されずとも、自分が手がけた製品の品質や出来映えに、万全の注意と細心の心配りを払い、手の切れるような上質の製品をつくる人々が存在しました。
それは、商品を売る店頭でも同様でした。駆け出しの店員であろうと、一生懸命にお客様の身になって尽くしました。その上質のサービスも決して上司にいわれたからではなく、またマニュアルに書いてあるからでもなく、もちろん売らんがためでもなく、思いやりに満ちた優しい心から自然に発露してくるものでした。
日本の企業が、そのような上質の人間に支えられていたからこそ、今日の日本経済の発展があるのだと思います。
ところが近年、世の中を見渡せば、以前にはとても考えられなかったような、ひどい出来事が続いています。
たとえば、それは食品偽装事件やリコール隠し、また粉飾決算やインサイダー取引に見られる、企業の社会的意義が根本から問われるような、不祥事の数々です。
官庁でも同様です。談合から裏金づくりまで、公僕として民に貢献すべき人たちの情けない事実が次々とを露わになっています。
家庭でも、「親殺し」、あるいは「子殺し」といった、人間としての尊厳を真っ向から否定するような、悲惨な事件が続いています。
新聞を繰るたび、そのような報道に接し、「一体、この国はどうなっていくのだろうか」と暗然とした思いにとらわれるのは、私だけではないはずです。
私は、そうした社会の現象もすべて、日本人の質的低下がもたらせたものだと考えています。
戦後60年、日本人は廃虚の中から敢然と立ち上がり、奇跡的な経済発展を成し遂げました。
その結果、確かに物質的には豊かさを得ましたが、逆に精神的な豊かさを急速に失いつつあるのではないでしょうか。
この進みゆく心の荒廃こそが、日本人をして、その質が劣化してしまったように見せるのです。また、現代の日本社会に混迷と混乱をもたらしている真因なのです。
古今東西の歴史をひもとけば、国家は隆盛と没落を繰り返しています。
国民が真摯に努力を重ねることで、国家が成長発展を遂げると、やがて国民が慢心し驕り高ぶるようになり、国家が没落するということを繰り返しているのです。
それは国民の心の様相と一致しています。
いまこそ、日本人ひとり一人が、精神的豊かさ、つまり美しく上質な心をいかにして取り戻すかを
考えなければなりません。
年齢を問わず、すべての日本人が改めてその品格、品性を高めることができれば、日本は世界に誇る上質な国民が住む国として、再び胸を張れるようになるはずです。
私は、それこそが、真の日本再生であると考えています。
そのようなことを思うとき、かつて、とびきり美しく温かい心を持った、ひとりの上質な日本人がいたことを思い起こすのです。
それは西郷隆盛です。西郷の生き方、考え方こそが、日本人が本来持っていた「美しさ」「上質さ」を想起させるのです。私が「尊敬する人物、理想とする人物は?」と問われたときも、すぐに頭に思い浮かぶのは、西郷です。(稲盛和夫『人生の王道 西郷南洲の教えに学ぶ』1114ページより抜粋)

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2007年11月 1日 (木)

講演会を行いました

*熊本センターは既に閉鎖されております。また、私も既に日本咬合学会を退会しております。そのため、丸山咬合療法は行っておりません。ご注意ください。平成25年4月

先週の10月25日の午後7時半から、雑誌のアヴァンティ様主催で、「かみ合わせを治して健康とキレイを手に入れる!」というテーマで講演回を行いました。

当日は男性1名女性9名の計10名の方々に参加していただきました。私の講演会は、講義の後、実際にかみ合わせを修正すると身体がどう変るかを体験していただきますので、あまり多人数だと手が回りませんので、丁度良い人数でした。

講演に先立ち、全身健康調査票というものを書いて頂きます。これは、いつも書きます女性の5代症状である頭痛、肩こり、冷え性、生理痛、便秘をはじめ、100項目を越える様々な体調のチェックを行います。

それはなぜかというと、それらの項目が私がかみ合わせを習っている大阪大学名誉教授で日本咬合臨床研究所所長の丸山剛郎先生がかみ合わせを直した結果、良くなった全身の症状が列記されているからです。

丸山先生は現在でも全国を飛びまわって、かみ合せの不調から来る全身の不調和に悩む患者様を治療されています。その蓄積の中から、1つ、2つではなく、ある程度手ごたえがあって出してもよいという項目を列挙してあります。ですから、毎年項目は少しずつ増えています。

この調査票を記入していただくと、改めて自分の全身状況を評価分析する事が出来て、自分の現状を再認識する事ができます。また、治療に入っても、毎回これを書いていただく事によって、症状の変化を知る事ができて、非常に有効です。

今回も参加していただいた方々に記入していただきましたが、予想以上にたくさんの症状を持っている方が多くいらっしゃいました。また、首のこりは肩や腰に比べると自覚していない方が多く、調査票の項目を見ると明らかに首のこりから来ていると思われる症状が出ているのに、首のこりにチェックが入っていない方を触診してみると、カチカチの方もいらっしゃいました。

それらの症状が、かみ合わせを正す事によって瞬時に解消される事を体験していただくと、一様に驚かれるのが私としましてはちょっぴり快感です。ただ、見誤ると当然ですが良い結果が出ませんので、ある意味真剣勝負です。

今回も、何とか全ての方に納得していただけたようですので、ホッと胸をなでおろしている所です。

この治療は、聞くだけではなかなか納得しにくい面があります。私自身も最初は結構疑っていた面がありましたが、自信で何度か体験する中で、これはやはり本物だという自覚を持ちました。

私の診療室でも体験とカウンセリングという形で一時間ほどかけて色々なお話と体験をしていただいております。その上で、ゆっくり考えていただいて、治療を希望される方は後日、取り掛かる様にしております。もし、ご興味のある方は一度お問合せ下さい。

かみ合わせと全身の関係は、残念ながらまだまだ一般的に知られるまでには至っておりません。しかし、逆に他の様々な治療を行ってもなかなかよくならない方が、劇的に回復されているケースもたくさんあります。ぜひ、この療法で救われる人が、1人でも多くなるように希望する限りです。

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