噛まなくなった現代人
咬む事の大切さは、このブログでもさんざん訴えてきましたし、皆様もある程度は認識されている所だと思います。
ちなみに、時代によって咀嚼回数(噛む回数)は変化しています。
・弥生時代 3990回
・鎌倉時代 2654回
・江戸時代 1465回
・戦前 1420回
・現代 620回
となっています。特に戦後の咀嚼回数が激減している事が分かると思います。これは、現代人が食事の時間を惜しんで、噛む時間が短くて済む、柔らかいファーストフードやジャンクフードを多く食べているからだと言われています。
また、健康を維持するためには、本来は食事から必要な栄養素を適切に摂取する事が大切なのに、安易に健康補助食品や栄養剤を多用するという傾向もあります。こうした事で、人間の生存にとって身体的にも精神的にも不可欠な「咀嚼」という行動がおろそかにされ、色々な問題が起きてきています。
小児や未成年が、噛む回数が少なく柔らかい、ファーストフードやジャンクフードばかり食べていると、咀嚼筋(噛むための筋肉)それらが関連する顔やあごの骨の成長発達が遅れ、頭、顔、あご、口、さらに唾液を分泌する唾液腺、特に耳下腺の発育が抑えられ、あごが小さくなります。それに伴って、歯や舌の位置が不正になり、口呼吸となり、虚弱体質を作る事となり、顎関節症や種々の耳鼻咽喉科疾患、姿勢障害、睡眠障害などを発症させやすくします。必然的に、咀嚼の効能も阻害されます。また、中高年以上でも咀嚼の効能が阻害され、健康に影響が及ぶことになります。
では、よく噛むためにはどうしたらよいのか、また、噛む事の他の効能なども、次回触れてみたいと思います。
我々は一口30回噛みましょうと、よくご指導します。ためしに自分が一口何回噛んでいるのかを数えてみて下さい。意外と早く飲み込んでいる事が実感されると思います。
極端な話、豆腐を30回噛もうとしても、なかなか辛いものがあります。食べ物の硬さも大きく関係してきそうです。
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