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2008年2月28日 (木)

うつとかみ合わせ

*熊本センターは既に閉鎖されております。また、私も既に日本咬合学会を退会しております。そのため、丸山咬合療法は行っておりません。ご注意ください。平成25年4月

うつが大きな社会問題となってきています。交通事故死が1万人をはるかに下回っている中で、自殺者は3万人を越えています。

私も歯科医師として毎日診療を行っておりますが、抗うつ剤、精神安定剤、睡眠導入剤などの向精神薬を飲んでいる方が最近本当に目立つようになりました。

向精神薬は、体に大きな負担をかけます。我々歯科領域に限って言いますと、唾液が出にくくなり、唾液が粘ってきます。薬を飲んでいる方にお聞きすると、ほとんどの方が強い口やのどの渇きを訴えられます。唾液は口の中に健康を保つのに非常に大きな役割を果たしておりますので、唾液の量や質が変るだけで、大きな影響を与えます。

具体的に言いますと、虫歯や歯周病が一気に進行したり、口臭が強くなったりといった症状です。

急性期は仕方がないとしても、症状が落ち着いたらなるべく早く、薬から離脱していただきたいのですが、どうしても依存傾向が強く、なかなか止められないというのが現状のようです。

実際は「うつ病」と「うつ傾向」は違うそうです。私も詳しく勉強したわけではありませんが、うつ病は本当の病気であり、脳に気質的な問題が生じて脳内ホルモンの分泌などに以上が起こった結果陥るもので、専門的な治療を要するのに対して、うつ傾向は、脳の虚血によって、一時的に脳の元気がなくなることによって生じるもので、その原因を解決すると直る場合が多いそうです。今はこの二つがあまり区別されず、同じ様な治療が施されている所に大きな問題があると聞きました。

今は向精神薬の非常に良いものができましたので、その効果が高いゆえに安易に処方されている気がして、少々危機感を感じます。薬によって口の中がボロボロになり、それに伴って体の健康も悪化している患者様を何人も目にしていると、何とかならないかなと痛感いたします。

そこで一つ知っていただきたいのが、かみ合わせとうつの関係です。以前も書いた事あるのですが、うつの方の姿勢の特徴は、猫背(首の前傾)、体のねじれです。この様な姿勢だと、首の筋肉に非常に負担がかかる結果、首の強いこりが生じます。頭の重さはボーリングの球と同じくらいあります。

1本の棒の先端にボーリングの球が固定してある図を想像してみて下さい。棒を真っすぐ立てて、その真上に球が乗っているときは、一番最小限の力で支えられます。ところが、棒を前に少し傾けると、とたんにその状態を支えるために手に強い力が必要となります。

首の骨は1本の棒ではなく、7個の骨が積み木のように重なって出来ています。それを筋肉や靭帯で四方八方に張り巡らせて丁度テントの支柱を支えるようにして、頭を支えています。首が前傾すると、首のうしろの筋肉や靭帯に大きな負担がかかってしまう結果、それが首筋のこりや痛みにつながります。

すると頚椎の中を通っている動脈を締め付けてしまい、結果脳への血流量が落ちてしまいます。脳は体に占める容積はそう大きくありませんが、消費する酸素や栄養は体全体の約20%もあるといわれています。少し血流が落ちただけでも大きな影響が出る事が想像できると思います。脳の元気が落ちた結果、うつ傾向に陥る事があります。

この首筋のこりの大きな原因の一つがかみ合わせのズレです。詳しくは、このブログに以前何度も書いていたと思いますので、ご興味のある方は読んでみて下さい。ちなみに首筋のこりは、肩や腰のこりに比べて自覚していない方が多いのも事実です。問診表(当医院のかみ合わせ用)の首筋のコリの欄に何もチェックが無い方でも、実際に触診させていただくと、かなりこっている方がたくさんいらっしゃいます。楽な状態を知らないので、現状をそんなものだと感じられているのでしょう。

当医院に、かみ合わせの権威である大阪大学名誉教授の丸山剛郎先生が月1回来られ診療を行っていただいておりますが、首筋のこりが見事にとれて、結果、うつ(傾向)の患者様が者さん元気になられております。これは事実です。丸山先生はこの様な治療を全国で行われており、うつ(傾向)のたくさんの患者様が本当に元気になり、社会復帰されております。

うつで歯科医院に行くなど今までは考えられなかった事ですし、眉唾と思われる方も当然多いと思います。ただ、他ではなかなか完治までは行かなかった方が、元気になられているのも事実です。

治療前に、体験とカウンセリングという制度がありますので、ご興味のある方は一度受けれられて見るとよいと思います。かみ合わせを正しく修正した瞬間、体が驚くように変る事を体験で出来ます。首筋のこりも瞬間的に驚くようにとれて、体全体に力が入るようになります。実際に治療するかどうかは、その後ゆっくり考えられて構いません。(保険適応外の治療となります)

私はこの治療を5年前に知りました。そして、勉強をし、実際に治療を行う中で歯科医師としての非常に大きなやりがいを見出しました。今後のライフワークとして腰をすえて取り組んでいきたいと思っております。

語弊を覚悟して言えば、収入だけを考えれば、今流行のインプラントや審美歯科などを行なった方が、はるかに簡単に高収入を得る事ができます。しかし、医療の本筋は、病める多くの患者様を痛みや苦しみから救う事であり、それらは、その手段の一つであるべきだと考えます。

全てかみ合わせで治るなどと言うつもりは毛頭ありません。しかし、逆に、検査しても特に悪い所は無いのに体調が優れない方は、一度かみ合わせのずれを疑ってみて下さい。見かけの歯並びが綺麗だからずれていないと言うわけではありませんので、気をつけて下さい。例えば歯列矯正で綺麗に並んでいるにもかかわらず、体調が優れない方が実はたくさんいらっしゃいます。

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