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2012年6月26日 (火)

本当は恐ろしい親知らずの話

先日作りました、院内掲示用のパンフレットです。そのまま引用します。

本当は恐ろしい親知らずの話

奥歯の親知らずが腫れていたが、少しの間我慢していたら自然に治ってしまった。こんな経験をしたことはありませんか? 親知らずは、腫れても自然に治るから心配ないなんて思っていると大変なことになってしまうかもしれません。ここでは、親知らずの腫れをそのまま我慢し続けると、どこまで悪くなる可能性があるのか解説します。

■一般的な親知らずの症状

 一般的によくある、親知らずが原因で起こる炎症が奥歯に限定している場合には、次のような症状が現れます。

・奥歯の歯肉がうずく
初めは、親知らずの周囲の歯肉が炎症を起こして、うずくような感じがします。

・腫れや痛みが強くなる
はっきりと親知らずが痛いと感じるのがこの時期で、実際に親知らずの周りの歯肉が腫れたり、膿が出たりします。

・口が開きにくくなる
さらに炎症が進行すると痛みや腫れとともに、口を開きにくくなってしまいます。治療を行なっても症状が落ち着くまでに時間(1週間~3週間程度)がかかることがあります。

 これらは歯医者さんで治療が行なわれる一般的なケースです。腫れた親知らずの周辺を十分に洗浄したり、薬を飲んだりしながら、症状が落ち着くのを待って、症状を繰り返す前に親知らずを抜きます。するとそれ以降、親知らずの症状には悩まされなくなります。

■親知らずが原因で起こる最悪のシナリオとは?

 親知らずが原因の感染が、体の中のいたるところにある「隙(げき)」と呼ばれる筋肉と筋肉の間にある密度の薄い組織を通じて広がっていきます。最悪のシナリオは、次のようなケースが考えられます。

1.
下の親知らず周辺が腫れる
下の親知らずが腫れて痛くなるが、時間がたてば自然に治ってしまうと思い込んでそのままにする。だんだんと口があけられないほど、炎症がひどくなる。

2.感染があごの下に広がる
あごの下の部分が明らかに膨らみ、発熱や全身の倦怠感などがひどくなる。歯医者さんで治療を行なったり、処方された薬を飲んでも、症状がさらに進行してしまう場合、歯医者さんから「口腔外科」がある病院に紹介され、入院することもあります。

3.
感染がのど周辺にまで広がる
あごの下に広がった感染がさらにのどの脇にまで進行する。次に首を伝わり、胸の周辺に広がっていく。感染がここまで広がると一刻を争う事態となります。

4.
感染が心臓周辺にまで広がる
胸にまで感染すると、一気に心臓周辺にまで広がるため、死亡することもあります。首から下に感染が広がってしまった場合の死亡率はなんと20%以上とも言われています。


 しかし、このような事態になることは非常にまれです。親知らずは、痛んだり腫れたりすることを繰り返すことが多いですので、誤った自己診断で大きなトラブルにならないように、痛みや、腫れなどの症状が出たときには、早いうちに病院で診てもらってください。

歯は体の組織の中で唯一、体の中と外にまたがっている組織です。つまり境界があるため、そこから体内に容易に細菌が入り込みます。歯周病が全身の様々な疾患と深い関係があるのもそこに由来します。

手足の傷は、みなさんすぐに消毒してリバテープや包帯などで覆って感染に気をつけますが、口の中は意外と無頓着な場合が多いようです。歯の特殊性をぜひご理解ください。

 

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2012年6月25日 (月)

考えさせられる話

欧米にはなぜ、寝たきり老人がいないのか

 とある記事からの転載です

ヨーロッパの福祉大国であるデンマークやスウェーデンには、いわゆる寝たきり老人はいないと、どの福祉関係の本にも書かれています。他の国ではどうなのかと思い、学会の招請講演で来日したイギリス、アメリカ、オーストラリアの医師をつかまえて聞くと、「自分の国でも寝たきり老人はほとんどいない」とのことでした。一方、我が国のいわゆる老人病院には、一言も話せない、胃ろう(口を介さず、胃に栄養剤を直接入れるため、腹部に空けた穴)が作られた寝たきりの老人がたくさんいます。

 不思議でした。日本の医療水準は決して低くありません。むしろ優れているといっても良いくらいです。

 「なぜ、外国には寝たきり老人はいないのか?」

 答えはスウェーデンで見つかりました。今から5年前になりますが、認知症を専門にしている家内に引き連れられて、認知症専門医のアニカ・タクマン先生にストックホルム近郊の病院や老人介護施設を見学させていただきました。予想通り、寝たきり老人は1人もいませんでした。胃ろうの患者もいませんでした。

 その理由は、高齢あるいは、がんなどで終末期を迎えたら、口から食べられなくなるのは当たり前で、胃ろうや点滴などの人工栄養で延命を図ることは非倫理的であると、国民みんなが認識しているからでした。逆に、そんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。

 ですから日本のように、高齢で口から食べられなくなったからといって胃ろうは作りませんし、点滴もしません。肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。内服投与のみです。したがって両手を拘束する必要もありません。つまり、多くの患者さんは、寝たきりになる前に亡くなっていました。寝たきり老人がいないのは当然でした。

欧米が良いのか、日本か

 さて、欧米が良いのか、日本が良いのかは、わかりません。しかし、全くものも言えず、関節も固まって寝返りすら打てない、そして、胃ろうを外さないように両手を拘束されている高齢の認知症患者を目の前にすると、人間の尊厳について考えざるを得ません。

 家内と私は「将来、原因がなんであれ、終末期になり、口から食べられなくなったとき、胃ろうを含む人工栄養などの延命処置は一切希望しない」を書面にして、かつ、子供達にも、その旨しっかり伝えています。(宮本顕二)

医療費は1年に一兆円ずつ増えています。(ちなみに歯科はずっと横ばいです)その殆どは老人医療や終末治療に使われています。

語弊を承知で言えば、医科は病気をどんどん作っているようにしか感じられません。例えば血圧の基準など、どんどん下げられて、今は、ある年齢になれば、国民総高血圧と言っても過言ではないような気がします。

冷静に考えれば、異常ですよね。

医療機関、製薬会社、医療行政の深い闇を感じてしまいます。

松本光正著「血圧心配性ですよ」「健診病にならないために」をぜひお読みください。

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2012年6月 8日 (金)

歯周病の話(2)

う蝕(虫歯)も歯周病も細菌が引き起こす病気です。

では、口の中を無菌化すれば、病気は進行しないのでしょうか?

正解は「YES」です。

動物実験で、帝王切開で母体から無菌的に取り出し、無菌状態の飼育箱で、無菌状態の餌を与えて育てた動物に、いくら砂糖を与えても虫歯にはなりませんでした。その後、虫歯菌を口の中に塗布すると、あっという間に虫歯が発生しました。

この実験からも、口の中の細菌を無くせば、虫歯や歯周病の発生を抑えることができます。しかし、我々の生きている環境は常に雑菌まみれです。その中で無菌状態を保つには、抗菌内を飲み続けながら、強いうがい薬などで頻繁に口の中を洗浄する必要があります。

これは、現実的に無理な話ですね。

ちなみに、人間の腸の中には120兆もの細菌がいると言われています。人間の細胞の数が60兆暗いですので、これはもう「共存している」と考えたほうがいいと思います。つまり、細菌とうまく付き合っていくということです。

先日、藤田紘一郎先生の本を読んでいて、面白い事が書いてありました。トイレのウォシュレットが普及して、肛門の粘膜がただれたりする人がかなり増えたということです。特に1日に数回も徹底的に洗うような人は適面だそうです。

人間の皮膚には常在菌というものが多数いて、それが皮膚を守っているそうで、お尻の場合も大便から来る菌とうまく共存して守られているそうで、それを洗ってしまうために皮膚のトラブルが起きるそうです。これを見て、私もウォシュレットの使い方が少々変わりました。(笑)

話がそれました。歯周病を抑制するには、あるレベル以下に細菌の数を抑えることです。そのために、歯科医院ではブラッシング指導や、歯石取りを行います。

そのレベルは、当然ながら人によって違います。たまに、ほとんど歯を磨かないのに虫歯にも歯周病にもならない(歯肉炎はありますが)人がいます。このような人は、レベルがほかに人に比べてかなり高いところにあるのでしょう。

持って生まれた体は変えようがありませんが、工夫をすれば、免疫を活性化することによってレベルを上げることができます。また、食生活もかなり大きな影響があります。

つまり、歯周病を防ぐには、従来の歯科医院で行われる治療に加えて、体の免疫を活性化する指導が必須であると考えます。免疫を活性化すれば、当然ほかの全身的な病気も良い方向に向かいます。

口は体の一部であり、全身はつながっていますので、体全体をトータルに見ていく目が必要です。そうなると、東洋医学的な考えに行き着きます。その中で重要視したいのが、我々の仲間が行っている咬合治療です。

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