病気の治し方 その1
病に苦しむ方は、1分1秒でも早くその苦痛から逃れたいと思うのは当然です。よく、「その部位を意識する部分が悪い所」といわれます。つまり、健康な時はその存在すら意識しないのに、例えばお腹が痛くなると、そこにある胃や腸の存在をを意識するようになりますし、誤って舌やほっぺたを噛んでしまうと、いつもそこの粘膜を意識してしまいます。
特に、人間は痛みに弱い動物で(全ての動物がそうなのかもしれませんが)、それは命を守る事にもつながるのですが、神経も痛みを感じる神経が一番発達しています。
私も歯科医師をしている関係で、痛みを抱えた方と接する機会が、かなり多いのですが、最初はものすごく不機嫌で、無愛想で、正直「感じ悪いなー」と思う患者様が、2回目の来院時には別人ではないかと思うくらい笑顔で応対していただける事がよくあります。それだけ痛みは人間に対して多大なストレスを与えるものなのでしょう。
さて、けがや病気も急性期で命に係るような時には、最新の医学を用いて事に当たらなければいけません。しかし、急性期を過ぎて、慢性期に移行したような疾患、あるいは、アレルギーやアトピーなどの免疫に関与するような疾患の場合は、ただ薬を飲むだけでは症状を緩和しているだけで、根本的な治癒にはつながりません。
副作用のない薬はありません。効果がその副作用を上回ったもののみ、使用されるべきで、それもなるべく短期間使用して、ある程度改善が認められたらやめるべきだと思います。
私見ですが、日本人はあまりにも薬に頼りすぎている、薬を飲みすぎていると思います。よく笑い話で、高齢者の方が食前に薬を飲んだら、その量の多さで満腹になってしまったというのがありますが、ある意味事実なのかもしれません。
また、精神的にも薬に依存している方も多く、とりあえず薬をくださいという患者様が結構いらっしゃいます。多分、「ものすごくよく効く薬ですよ」と言ってビタミン剤を渡しても、結構効果があると思います。これはプラシーボ効果と言います。詳しくは調べてみてください。
最近の薬、特に精神に作用する薬などは、その効果が非常に強い分、強い副作用を持っているようです。うまく使わないと、依存が強くなり、心や体に様々な障害をもたらすようです。
歯科的に言うと、多くの薬の副作用に唾液(つば)の分泌が悪くなる、あるいは唾液の性質が粘ついてくるというものがあります。歯を含めて口の中は常に唾液で洗われています。その洗浄作用と、唾液に含まれる抗菌成分によって口に中の健康は保たれています。
口は食物や飲み物、空気も最初に通過するとこです。当然、異物や雑菌なども多く進入してきます。そのため口の中からのどにかけては体の中でも最も免疫組織が発達している所です。口の中のけがが治りやすいのは、そのためです。
そのため、唾液が減ると、口の中の環境が一気に悪化します。虫歯が一気に何本もできたり、歯周病が急に進行したり、粘膜の上にカビが生えて、その機能が低下する事によって風邪や肺炎などを起しやすくなったりします。そこまで行くと、体を治すために飲んでいる薬のせいで、かえって体を壊しているという矛盾した状態が存在してしまいます。
そこで、最近見直されてきているのが、東洋医学的なアプローチです。局所にこだわるのではなく、体全体を整える事によって人間の生命力を向上させ、結果体もよくなっていくというものです。東洋医学というとすぐに気功や漢方薬といったものが頭に浮かびますが、その裾野はかなり広く、その中から自分にあった物を探して取り入れていけば良いのではないかと思います。
実は、その中にかみ合わせ治療も入ってきます。それについてはまた次回、詳しく説明したいと思います。
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